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さて、話を戻そう。ここは、太宰の部屋。
「私の友人にも、作家になりたいと言っていた…………Aはなんで、作家になりたいの?」
『そうねぇ………人には、色んな感情があるじゃない?』
「美味しいとか、嬉しいとか?私にはよく分からないけど。」
『それもあるけど………例えば、今貴方が履いている靴下、臭ってみなさいよ』
「えぇ?今日は川で入水したし…………臭いよ」
『なら、舐めてみなさい』
「はぁ!?嫌だよ、何言ってるのさ!不味いに決まってるじゃない!」
『ほら、その”臭い”と”不味い”も感情の一部よ。例にした方が分かりやすいと思って。』
おどけて見せれば、Aの例えば極端で逆に分かりにくいよと、椅子を回して項垂れていた。
言葉を続ける。
『人間と言うものは、その感情を外に吐き出さないとストレスになって亡くなるらしいわ』
「そうなの!?」
『そう。でも、入水や飛び降りよりも、長く苦しまないといけないの』
なぁんだ、間の抜けた声が聞こえる。
『苦しみたくないでしょう?誰だってそう。だから感情を外に吐き出すの。だけど………どうやって吐き出せばいい?』
「そりゃぁ、動作とか、………言葉とか?」
『そう。言葉。でも、苦しいとき、痛いとき、嬉しいとき、バカの一つ覚えのように嬉しいだけ吐き出さない。その時その時で、感情に合った言葉を出してあげないと、スッキリしないの。』
『だから私は作家になりたい。沢山の言葉を使って、私の人より大きくてどろどろした感情を、吐き出したいの』
「…………………へぇ。楽しそうだね」
『うふふ。その為には沢山言葉を勉強しないといけないわ。』
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A(プロフ) - 、さん» ご指摘ありがとうございました! (2018年3月15日 8時) (レス) id: ac1a14e4fb (このIDを非表示/違反報告)
、 - 実在する人物、団体、アニメキャラ等を扱う二次創作になりますのでオリジナルフラグ外して下さい (2018年3月15日 8時) (レス) id: 7e94334cd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A | 作成日時:2018年3月15日 8時