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不死川実弥【恋鎖】 ページ7

日の光の当たらない、暗い部屋
…もとい、牢。


腕を少し動かすと重い鎖が冷たく音を鳴らす。


どうしてこんなことに…







私は鬼だ。

鬼舞辻無惨に血を入れられて鬼にされた。

飢えて自我を失っていた時、
運良く珠世さんという女の人に助けられ、その事を教えてくれた。


そして、私を少量の血で足りる身体にしてもらい呪い、というものからも解放してくれた。




とはいっても私は鬼のまま。人間とは別物。


行く宛もなくふらふらとさ迷い歩いていたら
鬼殺隊員に出くわした。

階級は、柱だと思う。



肌を焼かれるような殺気を感じて前記のことに気が付いた。



「私は一度も人を食ったことがない!」

なんて否定しても無駄だと悟り、
私は一目散に逃げ出した。



でも流石は柱。

人を食ってない…いわゆる弱い鬼の私が
いち早く駆け出したにも関わらず
その差は数秒で埋まってしまった。



とうとう追いつかれ、
着物の襟を掴まれた時私は咄嗟に身を強張らせて目を瞑った。




き、斬られるっ…




だが、その柱の鞘から刀を抜かれることはなかった。

代わりに首に手刀を当てられ、私は気絶した。





目を覚ました時には私は鎖に繋がっていた。

斬られる事なく柱に捕らえられた鬼は、
藤の花の庭に閉じ込められて鬼殺隊選別に使われると聞いたことがある。


私もその一匹になってしまうのだろうか。







悶々と思考を巡らせていると重そうな扉が開いた。


開けた人物は、紛れもなく私を捕らえたあの柱。



何をされるんだ?
…今から藤の花の所へ連れていかれるのか?




コツコツと近づく足音に私は身構えた。

やがて柱は私の目の前に来て、
私の口を開かせ、一滴の液体をぽとりと落とした。



毒か…!?



そうだったとしても、私には拒絶する力も時間も無かった。

既に液体は喉を通り抜けていった。



頭がくらくらするような甘い香りだった。



その液体は毒ではなかったようで
私の身体には何の苦痛も起きなかった。

…むしろ、その逆。



たった一滴で喉の渇きを潤し、
空いていた腹を膨れさせる…



何、これ…血?



「…俺の稀血だァ。」

柱が囁く。




…稀血。あの希少な血。



何故そんな血を私に?

一体、私をどうするつもり?



この問いの答えを聴くことはなかった。

柱は何も言わずに去って行ってしまった。




それから、一日に一回の頻度で一滴ずつあの稀血を与えられている。

おかげで飢えることはない。




…でも、

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『マヨネーズにマヨネーズは絶対合う』


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設定タグ:鬼滅の刃 , ヤンデレ , 短編小説   
作品ジャンル:アニメ
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ここあ - 不死川さんかっこいいですよね❗私も不死川さん推しです❗ (8月23日 1時) (レス) @page9 id: 27e9334683 (このIDを非表示/違反報告)
不死花(プロフ) - ふわるーさん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年8月3日 4時) (レス) id: a684b5f730 (このIDを非表示/違反報告)
ふわるー - 話がよくできていて、とても面白いです! (2021年7月28日 19時) (レス) id: bb3661b0f9 (このIDを非表示/違反報告)
不死花(プロフ) - L社の職員リスクさん» 返信遅れてごめんなさい。リクは一応募集してないのですが、書けたら書こうと思います。 (2021年3月6日 18時) (レス) id: a684b5f730 (このIDを非表示/違反報告)
L社の職員リスク - リクエストいいですか?アオイをお願いします。 (2021年3月5日 23時) (レス) id: 106a14567d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不死花 | 作成日時:2020年12月12日 16時

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