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続き ページ4

「…錆兎さん…。」
あーあ、泣いてるとこ見られちゃった。

「何があった?」
錆兎さんは、冷静に尋ねるだけ。

「ごめんなさい…私、実は元の時代に帰りたくないんです。」

「…未来で何かあったのか?」

私は頷き、タイムスリップする前のことを話した。




私には友達がいた。
◆◆さんと■■さんと☆☆さん。
最初はすごく仲良くしてくれた。

…でも段々と私に酷いことをし始めた。

最初は無視や当番の押し付け。それがエスカレートして殴り蹴り。
しまいには宝物を私の目の前で壊された。

耐えきれなくなった私は、髪飾りを握りしめて願い事を叫んだのであった。



あはは、錆兎さんなら、「そんな奴らに負けるな!」とか言って怒りそう…。
メソメソするなって怒られちゃうかな?

「ごめんなさい…こんな話して。」
笑顔を無理矢理浮かばして部屋に戻ろうとすると

「戻らなければいけないなど誰も言っていない。」
錆兎さんの言葉でピタリと足が止まる。

「家事や手当てをよくしてくれていると聞くし、Aと話すと楽しい。それにもっと俺を頼れ。…俺以外でも良い。辛くなったら誰かに言え。」

心の枷が取れた気がした。軽くなった。

「ふふっ…錆兎さんなら、弱音を吐くなって言うかと思った。」

「男なら、な。お前は女だからそんなことは言わない。」

「ありがとう、錆兎さん。」

今度は自然に笑顔が浮かべられた。






この日を切っ掛けに私は自分の気持ちに気付いた。私、錆兎さんに恋をしたみたいだ。
ならば気持ちを伝えるかというと、それはできなかった。

恋愛に奥手だからって訳ではない。
私なんかには勿体ないから。釣り合わないから。

錆兎さんと私だけでなく、錆兎さん達と私。
もっと言えば、
鬼に家族を殺されながらも現実から逃げず命を投げ出してまで任務を頑張る鬼殺隊の皆と、
時代を越えてまで逃げ出していつまでもウジウジと甘ったれな私。

…ね、恥ずかしい。

『帰りたくない』じゃなくて『進まなきゃいけない』だと思う
…じゃなきゃ想いを伝える資格はないと思う。





帰りたくないって泣いたり、急に帰ると言ったり、自分勝手でごめんなさい。

私、鬼殺隊の任務を全うする錆兎さん達を見て、私も逃げちゃ駄目だと思ったの。

改めて言うけど、あの時、助けてくれてありがとう。


「…そうか。寂しくなるな。真菰達に言ったか?」

「…うん。錆兎さんが最後の一人。
あの、帰るのにこんなこと言うのずるいと思うんだけど、聞いて…。」

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設定タグ:鬼滅の刃 , ヤンデレ , 短編小説   
作品ジャンル:アニメ
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ここあ - 不死川さんかっこいいですよね❗私も不死川さん推しです❗ (8月23日 1時) (レス) @page9 id: 27e9334683 (このIDを非表示/違反報告)
不死花(プロフ) - ふわるーさん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年8月3日 4時) (レス) id: a684b5f730 (このIDを非表示/違反報告)
ふわるー - 話がよくできていて、とても面白いです! (2021年7月28日 19時) (レス) id: bb3661b0f9 (このIDを非表示/違反報告)
不死花(プロフ) - L社の職員リスクさん» 返信遅れてごめんなさい。リクは一応募集してないのですが、書けたら書こうと思います。 (2021年3月6日 18時) (レス) id: a684b5f730 (このIDを非表示/違反報告)
L社の職員リスク - リクエストいいですか?アオイをお願いします。 (2021年3月5日 23時) (レス) id: 106a14567d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:不死花 | 作成日時:2020年12月12日 16時

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