続き ページ12
ここは、無一郎の屋敷だ。
前に何度かお邪魔したことがあるから、見覚えがあるのも頷ける。
でも、何で、私は…
いや、私の亡骸だったものはここに…?
「…何で、」
気が付くと、その疑問を口に出していた。
「バレちゃった?」
無一郎の口が、にぃっと歪んで弧を描いた。
光沢のない翡翠色の瞳が私の姿を写した。
その一言で私は全てを察してしまった。
途端に私の足の力が抜け、ぺたりと床に座り込んだ。
「だって、Aも言ってたじゃん。
ずっと一緒にいたいって。」
告白した時の言葉だ。
確かに本心ではあったけど、
「僕嬉しかったんだよ?
…Aと同じ気持ちだったって知れて。」
…違う。
私と無一郎は、その気持ちの重さが違う。
私は、生き返れなかったら、悔いながらも諦めるような恋だった。
でも、無一郎は違った。
文字通り「ずっと一緒」にいたのだ。
…空っぽになっていた私と。
知らない方が良かった。
知らない方がきっと幸せだった。
もし、あの違和感を無視し続けていたら、
私はあの童話のようなめでたしめでたしな結末を
迎えられた?
…あれ、
そういえばあの童話、
姫が生き返って、王子と結ばれた後
どうなったんだっけ?
確か明確には書かれていなかった気がする。
ということは、あの物語の最後は、…
『得体の知れないモノに勝手に神様なんて
呼んで、信じるからいけないんじゃん。』
何処からか、嘲るような笑い声が響いた。
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ここあ - 不死川さんかっこいいですよね❗私も不死川さん推しです❗ (8月23日 1時) (レス) @page9 id: 27e9334683 (このIDを非表示/違反報告)
不死花(プロフ) - ふわるーさん» ありがとうございます!嬉しいです! (2021年8月3日 4時) (レス) id: a684b5f730 (このIDを非表示/違反報告)
ふわるー - 話がよくできていて、とても面白いです! (2021年7月28日 19時) (レス) id: bb3661b0f9 (このIDを非表示/違反報告)
不死花(プロフ) - L社の職員リスクさん» 返信遅れてごめんなさい。リクは一応募集してないのですが、書けたら書こうと思います。 (2021年3月6日 18時) (レス) id: a684b5f730 (このIDを非表示/違反報告)
L社の職員リスク - リクエストいいですか?アオイをお願いします。 (2021年3月5日 23時) (レス) id: 106a14567d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:不死花 | 作成日時:2020年12月12日 16時