プロセカ短編集｢神代類｣たまに天馬司

ずっと気になっていた｢神代類｣ ページ15

※｢ずっと好きだった｣の類目線


ずっと気になっていた

神高に編入したとき最初は珍しさで話しかけてくれた人たちも、だんだんと僕のことを変人だ、怖いと思うようになり離れていく

まただ、昔からこうだから慣れているし1人の方が作業に集中できて楽だと思い何も気にしていなかった

でもあの子だけは違ったんだ

みんなが僕から離れていく中であの子だけは僕が何をしているのかよく聞きに来た

僕の作ったロボットたちを珍しそうに、でも楽しそうな顔をしてくれた

そんな彼女に僕は想いを寄せるようになった

僕は自分では鈍感じゃないと思っている

だから彼女の僕に対する感情も案外すぐに気づいた

告白は僕からしたんだ

他の人じゃない、僕が、僕の手でもっと笑顔にしたい、楽しませたい
そう思った

恋人になってからもあまりいままでとは変わらなかったけど、彼女が僕の｢恋人｣という肩書きがあるだけで、たったそれだけで僕は満足してしまっていた

だから僕から恋人らしいことはしなかったし、彼女も特に気にした様子はなかった

たまに朝登校時に会えると一緒にそのまま教室に行くし、クラスが同じだから授業と授業の合間のちょこっとした休み時間に話したりしている

でも大体は授業中に思いついたショーの話を早く司くんにしたくて直ぐに教室を飛び出してしまうから、そこは反省だね

もう少し彼女との時間を取りたい、全然話し足りなくてね

昼休みに一緒に食べようと声をかけようとするけど、まだ少し恥ずかしくて1度も声をかけられていない

でも今度、勇気をだして一緒に食べようと言ってみようと思うんだ

僕はあまり連絡を取らないけど、彼女はよく
『今何してるの？』とか『この映画、もう見た？』とかすこしだけど連絡してくれるんだ


でも最近、彼女から連絡が来なくなった

朝会っても先に行くねと言って一人で行ってしまう

教室でも前以上に話をしなくなってしまった

そしてさっき久しぶりに彼女から連絡が来た

『話があるから、屋上に来て欲しい』

簡素な文字

僕は嫌な予感がして、足早に呼ばれた屋上へ向かった

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