5人目 【avntis】

頑張り ページ4

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"そういえばバスタオル干してなかった！"
と、風呂上がりの私の行動を思い返してベッドから飛び出した。
やっと眠れそうな時にこんなこと思い出すなんてついてない。




「...あれ、えいちゃん起きてたの？」


エ「うん。」




誰もいないと思っていたリビングには、デスクライトをつけて編集するえいちゃんの姿があった。




「目悪くなるんだからこっちの電気つければいいのに」


エ「ん、ありがと」




ニコッと笑ってそういうえいちゃんは、
なんだかちょっぴり疲れ気味。
ここんとこずっとこんな感じだ。流石に心配。




「...ね〜、無理しちゃだめだよ？」


エ「別に無理なんてしてないよ」


「もう何年もずっと一緒にいるからそれくらい分かるんだよね。」


エ「え〜キモ」


「うるさいな〜！」




えいちゃんはソファを背もたれにし、
パソコンから目を離して私を見つめた。
いつもは編集に夢中で構ってくれないのに珍しい。




エ「Aがそういうならちょっと休もっかな。」


「うん、そうして。心配だから。」




こんなに素直に話を聞くなんて。
なんだかいつものえいちゃんじゃないみたいでちょっぴり可愛らしい。




「なんか飲み物いれよっか？あったかいやつ。」


エ「ううん、なんもいらないから。
だからちょっとおいで。」




そう言って私を手で招き、
ソファの上をポンポンと叩く。
言われた通りにソファに腰掛け、「どうしたの？」と聞くと、




エ「なんか近くにいてほしいなって思って。」




なんて柄にもない言葉を言う。
えいちゃんは立ち上がって隣に座り、
私の顔をみた。




「なんかいつものえいちゃんじゃないみたい。」


エ「そう？」




えいちゃんは大きなあくびをし、首を傾げてそういう。
おっきな犬みたい。




エ「なにニヤニヤしてんの」


「犬みたいだなって思って。」


エ「それ喜んでいいやつ？」


「割と褒め言葉だよ」




やったね、と言って私の肩に頭を乗せた。
ずっしりとした重みがなんだか安心させた。

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