こちらは選手お悩み係です。

お悩みファイル6 ページ6

「あ、」


「あ、また会いましたね」


「...昨日は大丈夫だった？」


「え？」


「ほら、あれ…あれ」




あれ


だけじゃわかりませんよ




資料のチェックをしていたら


練習終わりの中島選手が




「昨日…あ！杉谷さんのことですか？」


「うん」


「いえいえです。私の仕事なんで」




中島選手は目をきょろきょろと動かして


息を吸って




「ま、また相談いい？」


「ど、どうぞ？」


「あのさ…」




なんか中島選手から話しかけてくださるとは


レアだな。





「それは、中島選手が正解ですよ」


「だよね。良かった…」





悪い人じゃない。


暖かい人だ。




「じゃあ、また」


「ありがとう」


「はい！」




資料のチェックも終わったし…


どこに行こうかと、考えていたら



「ん？」



携帯から着信音が




「もしもし…」


『お久しぶり！次はヤクルトに向かってもらいたいんだ！よろしくねん』


「え！？ちょ！あのっ」




プープーと切れた音


なんで、また


いきなり言われなきゃいけないの！




「はぁ。」



とため息をついていると




「桜井さん。」


「中島選手？まだお話ありましたか？」


「いや、いつまでいるの？」


「えっと、明日には出発ですね」


「…そ、うなんだ。」




なんか焦ってる？


なんでだろう。




「私、準備しなきゃなんで行きますね！」


「あっ…」





中島選手



どうしたんだ？





「卓」


「翔さん」


「また来るやろアイツ」


「はい。」

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