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No.120 ページ20
お化け屋敷を出たそばの休憩所にいた木ノ下さんは
俺の提案に首を振った。
「……ひどいね、木ノ下さんは」
俺は呟く。
その言葉に木ノ下さんはむっとしたように顔を上げた。
「……あんなふうに励ましておいて、
結局俺から離れるんだ」
木ノ下さんは目を見開いて慌てる。
「違っ……!!
そんなこと企んでないよ！」
「気遣わなくていいよ、木ノ下さん」
悲しそうにする俺に、
木ノ下さんは手をばたばたと振る。
俺はそれを流して続けた。
「……せめて、
木ノ下さんと観覧車に乗れたら、
俺の気持ちも少しは楽になるかと思っただけだから。
気にしないで」
ぐぬぬ、と唸る声が聞こえそうなくらいの変な顔をしていた木ノ下さんは大声で叫んだ。
「分かったよ！
観覧車に乗るから！
だから、そんなこと言わないで」
……やっぱり木ノ下さんは流されやすいらしい、と
確信した。
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作者名：いちご | 作成日時：2020年2月15日 18時
