それでも好きになった。② (ページ44)

今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:49,686 hit

No.94 ページ44

～Yourside～

昼休み、湊ちゃんとご飯を食べていたら、

照れ臭そうな渡辺くんがやってきた。

「加藤、――じゃなくて湊！

明後日、デートしよう」

おお、と私は目を丸くする。

「……珍しいね。

翔太から言うなんて」

自然に名前を呼んでいる湊ちゃんにさらに驚く。

「いや、

今回はさ……

ダブルデートしないかな、と」

ちらりと一瞥された私は嫌な予感に内心冷や汗をかく。

「……俺と佐湊の他に、

木ノ下さんも混ぜて――

あと一人呼んで遊ばねえ？」

笑って、提案した渡辺くんに湊ちゃんも笑みを浮かべた。

「いや、無理だから」

ばっさりと一蹴された渡辺くんは、

ショックを受けた表情で口をあんぐりと開けている。

「Aちゃんはどう!?

行こうよ、デート!!

楽しいかもしれないよ」

必死に説得している渡辺くんには申し訳ないと思うけど、私は首を降る。

「見ず知らずの人と

話すのはあんまり……。

人見知りだからその人が気分を害するといけないと思うし」

「いや、それは大丈夫！

Aちゃんがよく知ってるやつだし」

そこで渡辺くんは

あ、と発して慌てた。

「とにかくお願いします！

俺も苦しい立場なんだよ」

渡辺くんはそう言って……

土下座した。