それでも好きになった。② (ページ40)

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No.90 ページ40

湊ちゃんに川波さんのクラスを尋ねるとすぐに教えてくれた。

ついでに背中も押された。

きっと察してくれたんだと思う。

ありがとうと湊ちゃんに呟いて、

私は川波さんの教室に入った。

――いない。

きょろきょろと探した挙げ句、

どこかに行ったという結論に達する。

……タイミングが悪い。

「……川波さん、

どこにいるか分かる？」

そばにいた二人に尋ねた。

「佐久間くんと一緒に西階段の方に向かってたよ？」

右にいた女の子が答える。

「あと、

他のクラスの男子も二人くらいいたかも」

次いで左の女の子も答えた。

ありがとう、と告げて走った。

二人って、

目黒くんと向井くんのこと？

じゃあ、

やっぱり川波さんのことで……。

曲がり角を曲がると歩いていた男子にぶつかった。

校章の色で、同じ学年だと気付く。

「ごめん、

川波さん見なかった？」

「え……凛なら

実験室の方のトイレに行くらしいですが」

いきなり聞かれて戸惑っている男子に感謝を述べて、

そのまま走った。

階段を降り、

実験室に差し掛かったところで体を強くひっぱられた。