それでも好きになった。 (ページ7)

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No.7 ページ7

うなだれる妹を見て、

熱くなってしまった自分を

反省する。

「ごめん、言い過ぎた。

心配してくれてるのは

分かってる。

だけど、大丈夫だから。

今はもう男子が怖いなんてことも

ないよ。一緒にクラスメイトと

帰ってきたでしょ？」

笑いかけると、安心したように

妹は笑った。

「それで、私のことはともかく

美穂はどうなの？

好きな人できたって

言ってたでしょ？」

妹が楽しそうに話すのを、

私は黙って聞いていた。

――あの頃の後から、

泣き虫だった妹は強くなった。

逆に、私は……

何も変わっていない。

何も前進していない。

だから、自分が大嫌いになった。

好きな人なんて――

絶対にいらないと思う。

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朝早く来たせいか、

教室には誰もいなかった。

早く来ても朝練の人もいるし、

無理もないとは思う。

とはいえ今日は目的があって

早く来たのだから、

誰もいなくても

怯むことはなかった。

怪しい、とは思うけど

周囲に人がいないのを確認して

持参してきた手紙を

目黒くんの机に入れる。

……これだけで、だいぶ肩の荷がおりた。

――あれから一晩考えた結果、

やっぱり助けてもらうという話は

お断りさせてもらうことにした。

どう考えても、これは

私の問題であるから、

目黒くんがどうにかするもの

ではないと思う。

という酷い理屈を

手紙に書き記して

机の中にいれてみた。

――どうか諦めてくれますように

と、願う。