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No.39 ページ39
「じゃあ、放課後に」
「――場所指定していい？」
湊ちゃんは何か思い付いたような顔をして、
こっちにウインクした。
「別に構わないけど」
「じゃあ、
実験室でいい？」
私は目を丸くする。
「……実験室？
まあ別にいいけど……
変な場所指定するのな。
普通、体育館裏とかじゃねえの？」
古いよ、と湊ちゃんが言う。
「今の告白の王道は、実験室で行うものなの」
あっけらかんと嘘をつく湊ちゃんに、
私は口をあんぐりと開けることしかできない。
「え、まじ!?
知らなかったわ……
俺、考えが古かったのか……」
「もう化石化するぐらい古いよ」
そんな二人の会話中、
ちらりと私は後ろの目黒くんを見る。
目黒くんはそれを予想していたらしく、
じっとこっちを見ていたようだった。
「……今日、
教室で待ってる？」
早めに部活抜けてくるから、と目黒くんは言ってきた。
「えー、じゃあ教室まで報告に行く」
いつの間にか会話は終わっていたらしく、
湊ちゃんが割り込んだ。
「……Aに言ってなかったことも言いたいから」
私はじんとして
湊ちゃんに抱き付いた。
「……ずっと悩んでたのは、
渡辺くんのことだったんだね。
……放課後に詳しく聞くから！
覚悟してね」
……どんなことより湊ちゃんが元気になったのが嬉しくて、
私はとても安心した。
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作者名：いちご | 作成日時：2020年2月6日 7時
