ニコイチ【江口拓也】

第三十二話 ページ36

江口｢A、もっと気を付けて！((ｺｿｯ｣

『何がですか？』

江口｢だーかーらー！篠崎くんのこと！アイツ絶対Aのこと狙ってるから！((ｺｿｯ｣

『そうですか？』

江口｢そうだよっ！((ｺｿｯ｣

『大丈夫です。タイプじゃないので。』

江口｢いや、そーじゃなくて！((ｺｿｯ｣

監督｢次、Aちゃんお願いします。｣

『あ、はい。今行きます。じゃあ、また後でね。』

江口｢あ、うん。｣

はぁ…大丈夫かなぁ。
A、あー見えて鈍感なところあるし。

篠崎｢江口先輩、お疲れ様です。｣

江口｢お、お疲れ様。｣

出た…。
篠崎龍馬。
お前だけは許さないからなっ！

篠崎｢聞きたいことがあるんですけど。江口先輩って鳴海先輩の何なんですか？｣

江口｢え？｣

彼氏様ですけどーーー!?

江口｢一応、彼氏。｣

篠崎｢やっぱり。お似合いですよ。｣

絶対、思ってないだろ！
目ぇ笑ってねーぞ！

篠崎｢でも結婚はしてないんですよね？｣

江口｢まぁ。｣

篠崎｢じゃあ、俺にもチャンス。ありますよね？｣

江口｢は？｣

いやいや、何を言い出すんだ。

篠崎｢俺、はじめて本気で好きになりました。鳴海先輩のこと。｣

江口｢いや、…は？｣

篠崎｢だから、俺が鳴海先輩のこと貰っちゃっても良いですか？｣

江口｢ダメに決まってるじゃん。｣

篠崎｢何でですか？｣

江口｢Aは僕の彼女だから。｣

篠崎｢彼女…ってだけでしょう？なら、奪ったもん勝ちですよね？｣

江口｢なっ！｣

『ありがとうございました。次もよろしくお願いします。』

篠崎｢あ、鳴海先輩。お疲れ様です。｣

『あぁ、篠崎くん。帰ったのかと思ってた。』

篠崎｢まさか。先輩方を残して一人で帰るなんてことしませんよ。ねぇ、江口先輩。｣

江口｢…まぁな。｣

『？』

監督｢次、江口くんお願いしても良いかな？｣

江口｢はい。お願いします。…A。待ってて。秒で終わらせるから。((ｺｿｯ｣

『？…はい。』

絶対渡さねぇし…。

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