十羽 ページ13
パタパタと2人分の足音が廊下をかける。
「薬研、どこいってるの？」
「俺っちのお気に入りの場所だ！」
殆どの場所を見て周り、ついでに薬研の作業部屋？みたいなところで手を手当てしてもらい、今に至る。
大分懐かれたのか、手をずっと握ったままだ。
こういうものなのか
「薬研っ、待って、止まって、ｯ……つか、れたっ、からぁ、ｯ……はぁ、ｯ……」
ここはとても広い。
刀数も多いみたいだから当然だろう。
彼らは人によるが体も大きいから
「悪いな大将。つい柄にもなく浮かれちまった。」
「ゆっくり行こーや、時間はたっぷりある！」
「そうだな」
手を繋ぎ直してゆっくりのんびり庭を見ながら歩く。
ここの季節は今なんなんだろう、
いや、外をゆっくり見るなんてこと自体が久々で、心がソワソワする。
「大将は子供っぽいな。可愛い」
「主に向かって可愛いとはなんだ！！」
「悪い悪い笑笑……そんな初めて物を見る幼子みたいな表情されちまったら、俺じゃなくても思うぜ」
そんなに頬がゆるゆるになっていたのかと、自分の頬をペチペチする。
「大将、ほんな叩いたら赤くなっちまうぜ。ほら」
ぺちぺち叩く手を止められて、頬を撫でられる。
「撫でるの好きなのか？」
「大将限定だな」
「……ｯ」
「耳、真っ赤だぜ？」
「……ここにきてから、初めてなことばっかりなんだ…手加減してくれ」
「それは無理だなあ笑笑……なあ、大将のこと、
____もっと教えてくれよ」
鼻が触れそうになるくらいまで近づかれて、
薬研の藤色のような目を見つめる。
「(拒否権は……ないみたいだなあ)」
ﾎﾟﾂﾘﾎﾟﾂﾘ……と、言葉紡いで過去を話した。
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今までの生き様、経験したこと、全て話した。
薬研は、いっぱい撫でてくれたし、抱きしめてくれた
これも初めてかもしれない。
乳母と俺を玩具として扱ったやつら以外の記憶なんてほとんどない。
だから、こんなに安心するのも初めてかもしれない。
17歳でこんなことで喜ぶなんて餓鬼だとか思うけど、
それくらい俺は人に飢えてるのかもしれない。
少しの温もりでいい、
薬研の背中に腕を回して抱きしめる。
コイツらはちゃんと俺に応えてくれる。
背中に回った腕に力が入るのを感じると凄く、安心する。
「……______捨てないでね」
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「当たり前だろ、、大将」
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_____邪魔なんかさせない。
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地稲(プロフ) - コメント失礼します。十一羽の「わかせぬ」は「げせぬ」ではないですか？「解せぬ」のことでしたら「げせぬ」になるかと思います。これで間違ってたら私本当に恥ずかしいな…。ご確認お願いします！ (2021年4月2日 12時) (
レス) id: a7f6c2fae7 (このIDを非表示/違反報告)
リシェ(プロフ) - めっっっっちゃ好きです！！！お気に入り失礼しますｩ！！斑目君どタイプです、、、、 (2021年4月1日 21時) (レス) id: dcc366f923 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：燈 | 作成日時：2020年2月21日 2時
