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くすくすと笑っていると
怒った顔で三日月宗近が歩み寄ってくる。
「……なぁに」
「お主は何故ここに参った」
「仕事だよ。だから、君らに干渉する気もなにもない、必要最小限自分のことは自分でやるし、何も心配はいらないよ。君たちは自由だ。庭を肥やすのも、馬や花を愛でるのも、好きに生きればいい。あ、けど、手入れだけはやらしてね。怒られるのは俺だから」
悠長に話すと少し悲しそうな顔をして、三日月宗近は俺から離れた。
薬研藤四郎が心配そうに俺を見るので、頭を撫でてやると、照れ隠しなのか顔を背けた。
君の御長男様がお怒りのようだが、動ける様態じゃないみたいだ。殺気がでてるね。
「薬研藤四郎、…紙と、皿はあるかな、?」
「あ、……あぁ、あるぜ」
1枚の紙と皿を薬研藤四郎が持ってきてくれた。
ズボンの裾を上げて忍び込ませて置いたカッターを取り出す。
「何をする気だ。」
「荒治療だけど、、これが、君らに触れなくても治すことが出来る、唯一の方法だからね」
手首を切って、瓶に血を溜める。
薬研藤四郎も、悟ったのか、静かに見守った。
少し目眩がして、ふらつくと薬研藤四郎ではなく、誰かに支えられた。
白くて、金色の眼。
「つる……、?」
「!!……俺は鶴丸国永だ」
「ぁ、……鶴丸国永、すまないね。」
早々と、鶴丸国永から、身を離す。
ダラダラと流れ続ける血を舐めとって、皿に溜まった血を指に付けて紙に陣を書く。
描き終わり、半分に紙を折り、咥え、手を合わせて念じる。
「……ッ!……、。」
少しの間、風が吹き、部屋の中が光った。
青白い粒子が、雪のように落ち、全員、元の姿であろう綺麗な姿に戻っていた。
「……、ケホッ…じゃ…。」
彼らだけでは無い、屋敷の全体も綺麗に治っていた。邪気もなにもない、清らかな風と陽射しだけが、本丸を包んだ。
しかし、異変があるのは、彼らだけではない。
術を使った本人の体には、異変はある。
指先から、血が流れ、口から血を吐き出す。
完璧な術ではない。
全員が目を開き、短刀は短い悲鳴をあげた。
「あ"〜……ゲホッ……痛い……」
彼らの傷を、術を使った本人が全て負うもの。
禁忌の術でもある。
「あんたは馬鹿か!!!」
薬研藤四郎の怒る声と、彼らの苦しそうな顔。
なぜ、そんな顔をする。
眠い。。
「……ふぁあっ……眠ぃ」
俺は目を閉じた。
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??。 - 面白かったです。更新楽しみにまってます。 (3月29日 8時) (レス) @page33 id: 66c9a050dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:燈 | 作成日時:2018年8月23日 9時