・【ヒロインside】 ページ38
先生「彼、いい子ですね」
「あ〜…はい笑」
先生「僕、彼のこと知ってます。もちろんAさんの事もね笑」
「あ、そうなんですか…」
先生「大丈夫ですよ、内緒にしときます！彼にも次回の面会は別の入り口からと案内図渡しておきました。この病室の入り口にも、Aさんの名札は貼ってませんからね！」
「すごい…徹底してくれてるんですね！」
先生「一応ここも大きな病院ですし、メディアに出ている方もよく来られるので、その辺はお任せください！それにあんまり騒ぎが起きちゃうとAさんも休めないし、退院が伸びてしまうだけですからね」
「へぇ、、」
先生「それで…Aさん。面会についてなんですが、本来は大人の患者様への付き添いは原則禁止なんですが、シルクさんの頼みもありまして…やむを得ない、という事で付き添い許可出しましたよ？」
「は、はぁ…」
先生「グループというのは、そうやって絆を確かめる事も必要なんですよ？」
「は、はい…」
先生「それから…ここに運ばれた際に気を失っていたので聞けなかったんですが…今ここで問診をしてもいいですか？」
「あ、はい」
先生はそう言ってバインダーとペンを準備する。
先生「いくつか質問をさせていただきますので、正直に答えてくださいね。無理はなさらずに。答えられる範囲内で構いません」
「分かりました」
先生「今、Aさんの中で何かモヤモヤしている事はありますか？」
「…はい、」
先生「それは友達の事ですか？」
「いいえ、」
先生「差し支えなければどんなことですか？」
「…家族の、ことです」
先生「その問題をいち早く解決したいと思っていますか？」
「解決…というか、知りたい…の方が正しいかもしれません」
先生「家族の事で何かが発覚、あるいは何かが分からなくなった時、どんな感情になりますか？」
「頭が真っ白になって…周りの音が聞こえなくなります。音も、声も。自分が自分じゃなくなっちゃうんです。言いたくないことも言ってしまったり…」
先生「症状についてAの中で他に何か心当たりはありますか？」
「体が震えたり、頭が突然痛くなったり、声が出せなくなったりします…」
先生「…なるほど、」
「…はい、」
先生はしばらく黙り込んだ後、口を開いた。
先生「Aさん、心の病気ですね」
「心の…病気？」
あたし…病気？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 46人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユーカリ(プロフ) - YOさん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！ (2020年1月9日 8時) (
レス) id: 9ee0be3c4f (このIDを非表示/違反報告)
YO - 楽しみに見てます。文才ホントありますね！ドラマを見てる気分で楽しく見てます！(^^) (2020年1月9日 0時) (レス) id: 2315e9de02 (このIDを非表示/違反報告)
ユーカリ(プロフ) - YOさん» か、悲しい、、！？ (2019年12月11日 18時) (レス) id: 9ee0be3c4f (このIDを非表示/違反報告)
YO - 悲しい...。 (2019年12月2日 0時) (レス) id: 2315e9de02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユーカリ | 作成日時：2019年10月30日 0時
