恐怖症67 ページ10
若がじりじりと追い詰められている。景吾がボールを地面で弾ませている。すると若が突然座り出した。
齋「勝利というものは、意識した瞬間から遠のいていくんだよねぇ」
柘「……必要なのは禅の心ってか?」
「その結果、雰囲気変わりましたよ」
この試合の行く末を近くで見たいと思い、再びコートの近くへ行く。
跡「フッ……貴様が苦手とする持久戦、どうやら克服出来そうだなぁ」
日「……!」
忍「なんや。跡部は毎度接戦で敗れる日吉にそれを教えてたんかい」
宍「確かに若は追い上げられるプレッシャーに弱い。で、自滅する」
景吾のサーブで再び試合が再開した。
「(必要なのは氷のような冷静さ、どんな時でも決して動じない度胸。……景吾そのものね)」
ラリーが続いていた。私としてはまだ終わらないで欲しいと思ってしまう。
跡「(日吉よ。自分に言い訳している限り、お前に氷帝の看板を背負う資格は無ぇ。頂点に立った瞬間、今度は自分が狙われることになる。それでも……)」
「(何がなんでも、その座を守らなきゃならないんだよ、若)」
跡「これは餞別だ。瞬きすんじゃねぇぞ!」
景吾が打ったボールが若のラケットに当たり、跳ね返る。そして景吾が飛ぶ。
跡「これが氷帝学園のテニス!そして俺様の美技に……酔いな」
すると誰も発していないはずの氷帝コールが聞こえる。他の人たちの様子を見てもどうやらこれは幻聴じゃないみたい。
跡「俺からお前へ送る、破滅への
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作者名:ちゃーきー | 作成日時:2024年2月15日 19時