恐怖症63 ページ6
救急箱を持ってコートに入る。中学生の視線が私に集まった。
「……お疲れ様。すごい試合だった」
桃「……どうも」
「手当て、するから手を出せ」
そう言うと桃城くんは手を差し出した。私はその手に包帯を巻いていく。両方の手に包帯を巻き終わった。
「しばらく動かすなよ」
桃「……うっす」
「不服そうだな。テニスがまだやりたければ素直に言うこと聞け」
桃「……何故、高校生の先輩がそこまでしてくれるんスか」
……ん?高校生?……あっ、奏さんの自己紹介マネージャーってことしか言ってない。
「……中学生だけど。3年生」
桃「……えっ!中3!?」
桃城くんの声で中学生がザワザワし出す。学年まで言ってないしそれはそうなるか。
「同じ中学生だし、そこまですんだよ。それに……私はテニスが出来なくなるって言われた所から這い上がって来た奴を知っている。だから……お前もその怪我を治して這い上がって来い」
桃「……ありがとうございます」
私は救急箱を持ってコートを出る。中学生の視線を感じたが無視をした。
元の場所に行くと修さんが待っていた。
種「何話してたん?」
「高校生だと思われてたから中学生って事実を伝えたのと、這い上がって来いって言っただけ」
種「気にかけてるんか」
「……修さんに似たんだよ。多分。ほら、練習行くよ」
私たちは練習するために1番コートへ向かった。
213人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちゃーきー | 作成日時:2024年2月15日 19時