恐怖症88 ページ32
「……本気、出してもいいよ?私は負けるつもり無いから」
時「……いいぜ、潰してやるよ」
時遠が技を出し続ける。それを私は全て打ち返す。パワーショットも特殊な打球も全てコートの向こうへ返されていく。
時「(どうなっている!?なぜあいつのコートに打球が落ちてくれないんだ!?)」
「(……ここまでの展開はいい感じ。さて、あと2ゲームどう戦おうかな)」
審「30-0」
あと2回入れればこのゲームも私が取ることになる。コートの外からは全ての球が返されていることに驚いていた。
種「あいつのプレイは特殊やからなぁ。どんな球も全てコートに打ち返す。まぁ、まだ本気やないやろ?」
「……まぁ、ね」
ラリーを続けこのゲームもまた私が取った。あと1ゲーム取れば終わる。……やろうかな。
「……あと1ゲーム、少しだけ本気出してあげる。頑張って追いついてみなよ。出来るなら、ね」
時「……」
私はラケットを左手から右手に持ち変えた。全員が驚いていた。
時「……舐めやがって」
「舐めてたのはどっち?さて、あと4球、楽しませてもらうよ」
このゲームは私のサーブから始まる。そして私はサーブを打つ。
跡「……あれは俺の……」
侑「跡部の、タンホイザー……」
幸「……無我の、境地」
最後のゲーム。私は無我の境地に入る。コートの外が再びざわついていた。
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作者名:ちゃーきー | 作成日時:2024年2月15日 19時