【テニプリ】神の子恐怖症

王様2 ページ17

その日以来、俺の全てが変わってしまった。

多量の勉強、跡部家に相応しい教養。

……普通の子として過ごしたかった。
普通の子として同じように過ごしたかった。

＿＿＿＿＿＿＿なんで俺は、跡部家の息子なんだろう。

何度もそう思った。でも、負ける訳にはいかない。その思いだけが、俺をここまで突き動かした。


〜現在〜

跡｢……という訳だ。聞いてもらって悪かったな｣


話した。沈黙が流れている……。

口を開こうとしたとき、視界が変わった。

心地よい匂い。俺は今、Aに抱きしめられている……？


｢話してくれて、ありがとう。辛かったよね、苦しかったよね。私は景吾のことを御曹司だからって特別扱いしないよ。普通の子として、友達のように接していくから。景吾？……泣いてるの？｣


Aに言われて頬を触った。頬は濡れていた。
……泣いてたんだ。俺は


｢景吾。泣いていいんだよ？私が全部、受け止めるから｣

跡｢……｣


俺はこの日、久しぶりに泣いた。Aの腕の中で何度も。その間、Aは頭を撫でてくれた。

……途中で睡魔が襲ってきて、俺は寝てしまった。

そのとき、Aがこんなことを言ったなんて知るよしはない。













































｢あのときの男の子は、景吾だったんだね｣

恐怖症12→←王様1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す