THIS CRAZY LOVE

君のために、走るから ページ37

走った。

このまま死んでしまうんじゃないかってくらい、

息を切らして走った。

車に乗り込んで、法定速度すれすれでぶっちぎって走らせる。


彼女の家について、エントランスで部屋番号を押す。

開けてくれ、頼む…！！


"ピンポーン"


と無機質な音が俺の頭に嫌になるくらい響く。

開け、開け…！！


…ドアは開かない。

当たり前だ、あの狂った男が開けてくれるはずがない。

その時だった。


「…あれ、君…？」


振り向いた先、あのイケメンくんがいた。


「え、ちょ、は？？」

俺が慌てて二度見すると、彼は微笑んだ。

「どうも、ってこんなことしてる暇ないんだけど…

まさか、君も裕太から連絡きたの？」

俺は必死に頷く。

すると、


「わかった、入ろう。」


そう言って、彼はカードキーをドアに当てた。

普通に開く。

「え、は？？？？」

なんでこいつこれ持ってんだよ…？

「えー、まあ、秘密？」

ウインクしながら俺に告げる。

まじでこいつ意味わかんねえ。

とりあえず2人でエレベーターに乗り込む。

9階。

わかってるように押す。


沈黙の広がるエレベーターの中。

2人ともの言えない緊張感が、あたりに響き渡る。


はやく、はやく。

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