今日:4 hit、昨日:9 hit、合計:165 hit
小｜中｜大
第4話 ページ5
そして今日もまた三輪君は1人で来た。
考えられることはただ１つ、三輪君のお姉さんは第一次近界民侵攻で亡くなっているということ。
三輪君はいつものようにざる蕎麦を頬張る。
あ、まただ、また三輪君
懐かしむような表情を一瞬だけした。
ざる蕎麦を食べるとき必ず三輪君はこの表情をする。
この表情が私の確信をつく。
ああ、三輪君のお姉さんのあの端正な顔、もう見れないんだな。
悲しく寂しく何か欠けているような気持ちになる。
三輪君、お姉さん亡くしてるのか。お姉さんのこと大好きだったろうに。
私と一緒だ。私もお兄ちゃんを、、
だめだ、今は仕事中。お客様を不満にさせてはいけない。
急いで接客に戻る。
だめだ、今は仕事中。お客様を不満にさせてはいけない。
急いで接客に戻る。
落ち着け。落ち着け。
『ありがとうございました、またお越しください。』
笑え、笑顔で見送れ。人当たり良く接しろ。顔を崩すな。
『ごめん、お母さん。ちょっと具合悪いから今日はもう終わって良い？』
「いいけど、大丈夫？」
『うん心配しないで。』
急いで自分の部屋に行く。
だめだ思い出してしまった
『お兄ちゃん、』
『ありがとうございました、またお越しください。』
笑え、笑顔で見送れ。人当たり良く接しろ。顔を崩すな。
『ごめん、お母さん。ちょっと具合悪いから今日はもう終わって良い？』
「いいけど、大丈夫？」
『うん心配しないで。』
急いで自分の部屋に行く。
だめだ思い出してしまった
『お兄ちゃん、』
三輪君も私と似たような境遇だからか、私と重ねて見てしまう。
ふと写真立てが目に入る。そこの入っている１つの写真。
お花見に行ったときのお兄ちゃんとのツーショット。
『お兄ちゃんも私もまだちっちゃいなあ、今なら私の方が背高いよ。』
お兄ちゃんが生きてたらどれくらい高いかな。
「ワンッ」
私の部屋にいつの間にか入ってきていたコウタが吠える。
コウタという名前はお兄ちゃんが命名したもので、
「コタとかコタローって言う名前の犬は多いから、間をってコウタにしよう！」
とか言ってたかな。コウタっていう犬も結構いると思うけどね。
私の部屋に入ってきたコウタは、隣にストンと座る。
そして、涙は流してないのに、涙を拭うように目の下を舐めてくる。
人の気持ちがわかっちゃうのか、コウタは。
コウタといると落ち着く。安心する。
お兄ちゃんが死んだあとこの部屋で声を殺して泣いてたときコウタは良く来てくれた。
安心感からか唐突に眠気が襲ってきて、その後のことはよく覚えてない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無垢のさおん | 作成日時：2024年4月28日 21時
