お兄ちゃんと私 (ページ4)

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そもそもの経緯ページ4

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貴方side

そもそも私がお兄ちゃんと暮らし始めた理由は数ヶ月前まで遡る。私の合格した大学があるのは東京で、実家は少し離れた関東圏内。通えなくはないけど決して近くはない距離で、私はひとり暮らしがしたいと親に申し出ていた。

｢ちひろがひとり暮らしねぇ｣

端的に言うと反対をされた。お兄ちゃんもだけどうちの家族はみんな過保護なのだ。女の子がひとり暮らしなど危なすぎる、なんてダメだと言われた。

｢なら俺んとこ来れば良いんじゃね？｣

『いいの？』

合格したという連絡と共にお兄ちゃんに相談をすると思わぬ答えが返ってきた。

｢俺んとこならまぁセキリュティもしっかりしてるし母さん達も安心だろ。俺から言っとくよ｣

『でも私と住んだらお兄ちゃん彼女さん呼べないんじゃない？』

｢ﾌﾞｯ...あのな、彼女なんてそもそもいないしいたところで大事な妹放っておけるわけねぇだろ？｣

『ふふっ彼女いないんだ』

｢お前はどうなんだよ｣

『いるわけないでしょ～馬鹿にしてるの？』

｢してねえよ、でもそっかよかったよかった｣

『え～』

受験で忙しくてしばらく出来なかったお兄ちゃんとの電話は、なんだか少しくすぐったかった。

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