真夏のスコール3 ページ20
すぐに離れるだろうと思ったのだが、ジェシーはそのまま抱きついていた。
「……どうした？」
どうせ抵抗したところで体格差的に抜け出せないので、俺はそのままになっていた。
「……ちょっと今日の仕事うまくいかなくて」
いつもの元気で賑やかなジェシーではなく、落ち込みモードだ、これ。
「ふむ」
「それもあって雨にあたりたくなってた」
「ふむ」
「Aはそんな時ない？」
「そりゃ、生きてりゃもちろんあるだろ」
「だよねえ」
「ま、言いたいことありゃいくらでもここに置いてけ。家に持って帰んな」
されるがままにジェシーの話を聞く。
うんうん、と聞き手に徹する。
誰にだってただ話を聞いてほしい時があるのだ。
どれくらい経ったのかわからないけど、長いハグが終わった。
「ありがと」
流れるような動きで頬にキスを落とされた。
アメリカ〜ン。
さて、しゃべりたいだけしゃべったからか、たちまち元気になったジェシーは「腹減った！！ねえメシいかない？！」と、途端にうるさくなった。
いつの間にか雨は止んでいた。
これなら車に乗っけてかなくてもいいだろとも思ったが、可愛い弟分の頼みだ、メシに付き合ってやらんとバチがあたるだろう？
「わーったよ、何食べたい？」
「肉！！！」
「おっけー」
了解の返事をするとまたハグされた。
【ウェブ】
『Aだより』
やほやほ
Aだよ
かわいい弟分が肉食いたいって言ってきたから、おでかけしてきたよ
好きなだけ食べろとは思うが、これ以上伸びないでくれ、とも思うAでした
〈ジェシーとAが外食している写真〉
【青い鳥の反応】
@自分も弟だからってジェシーと慎太郎には甘やかしてるA最高
@まって？ジェシー着てる服、Aの私服じゃない？これ前にyoutubeで来てたよね〈画像〉
＜@えっ！？なんで！？！？？
@やっぱこの二人付き合ってんじゃ……
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Aくんは年下に特に甘いです。
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作者名：八郎 | 作成日時：2023年8月2日 21時
