〈三人で、メシ7〉 ページ15
「そしてお二人さ〜ん、熱いところ申し訳ないんだけど……」
優吾がスマホの画面をおもむろに見せてきた。
そこに表示されたのは、LINEの通話画面。え？電話？しかも、これ七人のグループLINEじゃん。
「おいA！！！！！！お前そんなこと思ってたんだな！？メンバーなんだから言えよ！！！」
真っ先に聞こえてきたのは樹の声。
「ちょっとこーち、いつからLINEしてたの？」
不満そうな声を出す大我。
「ごめんごめん」
「多分Aの独白が始まったあたりからだよ」
次にスマホから聞こえてきたのは北斗の声。
「まって、めちゃくちゃ恥ずかしいんだけど」
顔がたちまち熱を持つ。
「まってめっちゃA顔真っ赤じゃん！！！！！」
優吾が大笑いしながらスマホをテレビ通話に変え、俺をカメラに収めようとする。
「えっちょっやめろよ優吾！！！」
「高地ナイス！！！おいA顔隠すなよ！！」
「きょも、顔真っ赤なAの写真撮って後で送って」
「おっけーじゅり」
「勘弁して！！！！！！」
その後顔が真っ赤になった俺の写真がグループLINEに貼り付けられ、仕事で電話に参加できなかったジェシーと慎太郎にも大体の話はバレ、次に七人で仕事した時には散々いじられまくったのだった。
「……な〜るほどねぇ。あの話の詳細ってこういうことだったのか」
うちの末っ子は何となく察していたらしいが、数年経ってようやく事の詳細を知って満足したらしい。
「今思えば長すぎた思春期だったんだと思うよ」
「長すぎねぇ？」
「たしかに」
素直な反応の慎太郎につい笑ってしまう。
「ねえ！！！！A事務所辞める気だったの！？！？」
慎太郎が読みかけにしていた例の雑誌。
次はジェシーの手に渡ったらしく、デジャヴのような言葉が聞こえてきた。
俺と慎太郎と優吾はマジで？という顔をお互いに見合わせて、ワンテンポ遅れて笑い出した。
ジェシーはなんだかわかってないみたいだったけど。
第1話 終
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 238人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：八郎 | 作成日時：2023年8月2日 21時
