先越され ページ28
無一郎 Side☆
あまね様が退室し、これから皆でこれからのことを話し合おうという時、
「あまね様も退室されたことだし俺は失礼する。」
冨岡さんがそう言い部屋を出て行こうとする。
伊「貴様には柱としての自覚が足りん」
冨「俺はお前達とは違う。」
不「おい冨岡ァ、前にもそんなこと言ったなァ。俺達を見下していんのかァ?」
胡「冨岡さん、理由を説明して下さい。いくらなんでも言葉が足りませんよ?」
室内が張り詰めた空気になる。
冨岡さんは帰ろうとする姿勢を変えない。
マリンが立ち上がった。
『師範、、、』
冨岡さんの近くに行き羽織りを掴む。
「俺は帰る。さっきも言ったが俺はマリンや他の柱達とは違う。それはマリンも分かっているだろう。」
と、マリンの手を振りほどく。
『師範っっ!!!』
涙声で冨岡さんに言うが冨岡さんは早足で帰って行ってしまった。
マリンが膝からがくりと崩れ落ちる
その目には涙がたまっている。
その場に行って抱き締めてあげたい気持ちになったが皆の前でする勇気はない、、
「ったく冨岡はよォ、アイツふざけてんじゃねぇよォ。何考えてんだか」
『あのっ、、、
皆さんどうか師範を責めないで下さいっ!!
お願いします、、、』
と、涙を流し土下座をしながら言う。
いてもたってもいられなくなりマリンのもとへ駆け寄ろうとする
が、
立ち上がろうとしたところで、
「何頭下げてんだよ、顔上げろォ」
と、不死川さんに先を越される。
甘「あの、冨岡さんが言ってた、マリンは分かっているだろう って、何のこと?」
甘露寺さんが優しく尋ねる。
マリンの俯いたままの目からは涙がボロボロと溢れている。
「ゆっくりでいいからよォ」
と、普段の様子からは想像出来ないような仕草で、不死川さんがマリンの背中を優しくさする。
悔しい と思う自分がいる。
マリンは不死川さんに言われるまま話し始める
冨岡さんは育手のもとで親友と出会い一緒に最終選別を受けたこと
親友は選別の時皆をかばって死んだこと
1匹の鬼も倒さず冨岡さんは選別に受かり、自分は剣士になっていい人間ではないと思っていること
そして
さっき 俺はお前達とは違う と言ったのは、冨岡さんが自分は本来なら他の柱と対等に肩を並べて良い存在ではないと思っていること
を涙を流しながら話した。
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作者名:ララ | 作成日時:2021年1月29日 21時