ONE PIECE 4人の兄弟 2 (ページ10)

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『やっぱり心配、様子を見に…』

顎に手を当てて顔を俯かせて思案していると
熊の咆哮に叫び声が混じって聞こえ、顔をあげた

『エース君、サボ君、ルフィ君！』

すぐさま木から飛び降りるとエース達の元へと一目散に走りだす

３人の姿が見えてくると、後ろから大虎に匹敵するほどの熊が追いかけていた

エ「ダメだ！怒りがおさまらねぇ！」
ル「もうダメだーっ！！」

子どもの足ではすぐに追いつかれ最悪全滅にもなりうる

無事逃げ切るには誰かが熊を足止めしなければいけない

走って来る３人と段々距離は縮まるが足を止めずに通り過ぎ際に口を開いた

『私時間を稼ぐから、その間にエース君達は逃げて！』

走った勢いのままジャンプをして剣で熊にかかる

「グォオォオオ！」

たいして効いてない、それなら……

空中にいる状態で手を動かすと雪の中から水が噴き出し、尖った先端が熊目掛けて突き刺さる

「ガルァ…っ！！」

熊の体から血は流れ、痛みに呻くが倒れはしない

雪の上に着地するが、考える暇もなく、熊は手を振り下ろした

紙一重で熊の手を避けるが鋭い爪が腕を掠り手から血がポタポタと垂れると雪を赤く染めた

『うっ……』
サ「A！」

サボは私のもとに来ようとしていたがエースに止められた

エ「今、行ってもAの足手まといになるだけだ！」
サ「くそっ！！」

熊は後ろにいる３人に顔を向けると一気に走りだした

『危ないっ！！』

目の前に水を噴き上げさせて
熊が立ち止まった隙にエース達を庇うように立つ

『この3人に手出しはさせない』

熊は山に轟くほどの雄叫びをあげると物凄い速さで走り出し、手を振り上げた

目を見開くと、目を細くキッと睨みつけた

『私の大切な兄弟に手を出さないで』

「ガッ……！」

熊は立ち止まり振り上げていた手をおろすとガタガタと震える

ル「……っなんだこれ」
エ「っ……くらっときた」

膝をついて片目を閉じるルフィに頭を押さえて何とか立っているエース

サ「一瞬意識が飛んだぞ……っ」

睨みつけていると熊は背を向けて静かに森に帰っていった