小説【復讐の花嫁】 (ページ3)

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3話ページ3

と、首に何かを注射された瞬間…意識が朦朧としてきた。そして、薄れゆく意識の中で男達の会話が聞こえてきた。

「ボス、後はどうします？」

「美人だが、まだガキだし使い物にならねぇよ」

そう言って3人が出て行くと同時に、私は気を失った。

＿＿＿＿＿＿あれからどれ程の時間が経ったのだろう？目が覚めた時、1番に目に入ったのは…血塗れで冷たくなった母さんだった。

「母さん…！母さん…！」

いくら声を掛けても、揺すっても…母さんが目覚める事はなかった。母の葬儀の時、周りの人達は私を哀れみの目で見た。

『可哀想に、まだ16の娘だよ…』

『そもそも、母親が娼婦だなんて…』

「娼婦だからって何だよ！！」

気づいたら私は大声で叫んでいた。母さんはあんなに酷い事をされたのに、死ぬ時まで私を心配してくれた…。それなのに…

「確かに、娼婦の女性は周りから嫌われているかもしれない。でも、それでも母さんは…死ぬ直前まで私を見捨てなかった！！」

そう言って、家に引きこもり1人で泣いた。その日の夜、誰かが玄関をノックする音が聞こえた。もう深夜の2時だが…？

「こんな夜中に誰だよ…」

鍵を開けると、母さんと同じ娼館で働く「アルテ」という綺麗な女性が立っていた。

「なぁ、ナターシャ。アンタの母親を殺した奴らに復讐したいかい？」
アルテさんは真剣な表情で私に問う。まるで「貴女の復讐の手伝いをしてあげる」と言わんばかりに。

「もう一度聞く、アンタの母親を無理やり犯し、汚したあげく…殺した奴らに復讐したいかい？」

「あぁ、出来るなら母さんを殺した3人に…地獄を見せてやりたい！死んだ方がマシってくらい苦しめてやりたい！！」

すると、アルテさんはゆっくりと続けた。

「この街には二度と戻って来れなくなる、それでも良いの？」

私がうなずくと、アルテさんは「着いといで」といって私の手を引いた。

しばらく歩くと、誰もいない広い広場に黒い馬が一頭いた。

「なぁ、アルテさん…」

「いいから黙って乗りな、振り落とされて舌を噛むんじゃないよ」

馬を走らせる事1時間、着いた場所は森の奥深くにある大きな酒場だった。何だろう…何か不思議な雰囲気がする。私とアルテさんは無言で中へと足を運んだ。