so addicted【青】 (ページ6)

今日:30 hit、昨日:2 hit、合計:176,789 hit

6 ページ6

カフェを出て歩き出す私達。

一人でも帰れるのに、Aも一応女だろ。って

いつも家まで送ってくれる大我は優しい。

まぁ、一応って言葉は余計だけど。

ツンデレだからしょうがないか。

「ちょっと冷えてきたな。」

首をすくめて手を擦り合わせる大我

『そうだね、もう冬だよ』

「もう今年一年も終わりかぁ～早いな」

『本当早いよね、やだなぁ』

そんなことを話しながら歩いていると

もう私の住んでるアパートの前

『送ってくれてありがとう。大我』

「まあね、腹出して寝るなよ」

『大我こそ。気をつけて帰ってね』

「さんきゅ、おやすみ」

『うん、おやすみ』

踵を返して帰っていく大我の背中を見送った後、

私も部屋に入った。

急にタバコが吸いたくなって、

家の換気扇の下の床に座ってタバコに火をつける。

床が冷えてて寒い。

冬って寂しくなっちゃうから私は嫌いだ。

人肌が恋しくなるっていうか。

独りの私が惨めに感じるから。

煙を吐き出しながら、昨日の彼を思い出す。

いくつなのかも、どこに住んでる人なのかも、
名前もなに一つ知らないけど

ただ覚えているのはバニラの香りとあのピンク色の頭だけ。