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いつものように店内の机を拭いている。
最近どんどん調子悪くなってるから、気をつけないと。
A「…ゴホッ、ゲホッ!」
咳って止まるもんじゃないよね。
肺が痛い。
苦しい。
そういえば朝の薬飲んでないな。
早く薬飲まないと…ん?
手がべとべとする。
A「…蝶屋敷行こう。」
吐血してた。
私は本当に大丈夫なんだろうか。
A「ゲボッ!ゲホッ!ゴホッ!…うぅ…。」
栗花落「A!」
丁度カナヲちゃんが来てくれた。
栗花落「…血、吐いてる。
…屋敷に行きましょう。」
私はカナヲちゃんにおぶられて蝶屋敷へ向かった。
胡蝶 「…大分進行してますね。
薬は飲みましたか?」
A「朝は飲んでませんでした。」
今飲んだから普通に話せる。
胡蝶 「…少しの間、お店を閉めて
ここで休んでください。
今の状態はとても危険です。
少し良くなったら、また戻ってもいいので。」
A「…はい。」
こうして私は、鬼殺隊でもないのに蝶屋敷で療養することになった。
胡蝶 「…それと…。
彼がお戻りですよ。」
A「…え?」
彼って…まさか。
胡蝶 「昨日運ばれてきましてね。」
A「…そう…ですか。」
良かった。
怪我していても、生きていてくれたなら。
本当に良かった。
…会いたい。
胡蝶 「だめですよ〜?
あなたは無理して歩かないでください?
大人しくベッドで休んでいてください。」
A「…はい。」
ひと目見たいのに…。
こんな体になった私が悪いんだ。
我慢しよう。
早く良くなって、彼に会うんだ。
気持ちを、伝えるんだ。
ー翌日ー
「…A。」
…ん?
「…A。」
声が聞こえる。
私は薄っすらとまぶたを開いた。
A「…!?」
明るい光が窓から差し込む中、
私の寝ている隣にある、長い髪。
見上げると、その浅葱色の瞳と目があった。
A「…時透君。」
時透 「…A。
…ただいま。」
時透君は私を抱きしめた。
今回は、時透君から抱きしめてくれた。
この前は私からだったのに。
A「文、何通もありがとう。」
時透 「うん。こちらこそ。
君の言葉で元気が出たよ。」
A「良かった…。
…え!?」
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