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竈門君が出ていった部屋のベッドに腰を下ろす。
辛くなったらって？
なんで私が辛くなるんだろう。
時透君のこと？
…そういえば、竈門君って鼻がいいんだったな。
じゃあ、私の気持ちを感じとって言ったことなのかな？
私は今、どんな気持ちなんだろう。
時透君が心配。
この前会えなくなってしまったときも、同じことを思った。
彼になにかあったら…とか、
私を忘れてしまったら…とか。
色々な感情がごちゃごちゃ混ざってしまって、
自分でもよく分からなくなってる。
でも、はっきりと分かるのは、
時透君に会いたいと思っていること。
だから…竈門君はああ言ったのかな。
私が、寂しい気持ちでいたから、
また前のように、辛くなると思ったからかな。
時透君に会いたいと思っているから…。
好きだと言ってくれたのかな。
勿論本心ではあると思うけど、
私を励まそうとしてくれたのかもしれない。
時透君が居なくても、俺がいるからと。
本当に、優しい人だなぁ。
なんで私は竈門君では駄目なのかな。
竈門君なら、絶対に私を大切にしてくれる。
それに、
恋なんて知らないみたいな顔をしている時透君なんかに恋したって
無駄でしかないと思う。
なのに…
なんで私は…あなたでなければ駄目なのだろう。
栗花落「…A？」
A「あ、カナヲちゃん。」
カナヲちゃんが部屋に入ってきた。
栗花落「どうかしたの？」
A「ううん。」
カナヲちゃんはどうやら私を心配してきてくれたみたいだ。
A「…ん？なんで心配になったの？」
栗花落「…それは心配になるよ…。」
私…なにかやっちゃったっけ？
栗花落「…挨拶もせずにすぐ病室に行っちゃうし。」
A「…早く来たくて…。」
実を言うと…今日はアオイさんにお料理を教えてもらう約束をしていて。
楽しみすぎて思わず走ってきてしまったのだ。
栗花落「…庭に蝶がいたのに気づかないし…。」
A「…泣こうかな。」
栗花落「…土足だし…。」
A「…嘘！？」
足元を見ると…
下駄を履いたままだった。
おかげで床が砂だらけてある。
栗花落「…それに今も。」
カナヲちゃんは私の頬を両手で包み込んだ。
栗花落「悩んでる顔してる。」
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