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第229話 ページ32





Noside





「中途半端にやってくれたもんだなぁ、」





ナルニアからの " 死刑ならず " というメッセージを見たバールが愚痴を零す。その様子にキリヲは微笑んだ。





「成功したよぅな、失敗したよぅな…何ともAちゃんらし結果ですねぇ。

襲撃は成功したんに、死なへんなんてすこいわぁ。」





「ずるいもクソもないわよ、
こっちの情報が漏れればそれこそ爆弾じゃない。」





アムドゥスキアスの不満に 大丈夫ですよ、とウエトトが怪しく笑む。





「話す情報も、今頃なくなっていますから。」






××××××







ツムルside



これほど気が動転しているAを見たのは収穫祭以来だ。常に平静で達観しているこの生徒が取り乱すのは、それくらい珍しい。
額から頬を伝う汗、どこを捉えているかも分からない視線、色を見ずとも気が動転してるのが分かる。





『………信じないかもしれませんが、』





重々しい口をゆっくりと開き、目を伏せたAに耳を傾ける。発せられた言葉は俺の考えていた可能性の一つにあたるものだった。





『…多分、消されたんだと思います。』





 やっぱりか、



色もあるが、嘘だとは思わなかった。

記憶を消す魔術は存在する。ただし高位となるものだが、もはやAがどんな悪魔に出会っていようと不思議ではない。
おそらく高位魔術を扱える悪魔と接触したのだろう。



 ……まぁ何にせよ





「思い出せないなら無理に思い出さなくていいよ。」





『でも……』


「大丈夫。」





今まで事情の全てを話させていたせいか、不満が残るAを遮って俺は大丈夫だと言った。
彼の情報を集めることはもう不要だからだ。





「実はこの聴取、本当は必要ないことなんだ。」





『?なぜですか……、


………………………………!』





言い終えたあと何かに気づいたAに、俺はそっと溜息を吐いた。





「ようやく自覚した?
自分が悪魔学校(ここ)の生徒だってこと。」





『……。』





何も言わず俺から目を逸らした生徒はどうやら図星らしい。
小さな笑みが零れ、その青い頭に俺の手が伸びる。…が、同僚の顔が脳裏を過ぎり、触れる寸前で止めた手をそのまま引っ込めた。

咳払いを一つ落として話を戻す。





「……ま、この聴取はAに反省文を書かせるためでもあるけどな。」





『………何枚ですか、』





「13枚。」





『13枚………。』



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紫咄(プロフ) - ティアさん» コメントありがとうございます!面白く新鮮な話を書くのが作者の目標なのでとても嬉しいです✨これからも頑張ってまいります! (4月2日 0時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ティア(プロフ) - 春休みなのでシリーズ最新まで一気見しました!!すっっっごく面白いし泣いてしまいました………続き楽しみに待ってます!!頑張ってください!!! (4月1日 7時) (レス) @page31 id: 9f0c7fadf2 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 夕宙さん» ありがとうございます!シリーズ1からは嬉しいです…泣作者の書きたい放題に思案しながら書いているのでとても励みになります!これからも頑張ります! (3月9日 15時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
夕宙 - シリーズ1から読ませてもらってます。無性くんのキャラというか性格というか、とにかくキャラ設定やストーリー大好きです(語彙崩壊)。続きが気になる……!これからも頑張ってください!応援してます。 (3月9日 13時) (レス) @page21 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 久遠さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉✨作者もエイト先生は大好きです!これからも頑張ります! (3月5日 20時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫咄 | 作成日時:2024年2月11日 21時

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