第224話 ページ27
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______また友達になってくれないかな、
バツの悪そうな顔をしたAがイルマにそう握手を求めて手を差し出す。対してイルマは何か意を決したように大きく息を吸った。
「お断りしますっ!!!!」
…………。
…………………………。
教室によく響いたその大声に、暫くの沈黙が流れる。やがて、喋り方を忘れたかのようにAがぽかんと口を開けた。
『……………え、?』
A、おトモダチ0人の危機。
…かと思われたが、違うらしい。
珍しく鳩が豆鉄砲を食らったような顔をするAに、堪えきれなくなったクラスメイト達がクスクスと笑みを漏らす。
それは宛らイタズラを仕掛ける悪魔だ。
「あ、あのね……っ!!」
そんな中、イルマだけが心底一生懸命そうに何かを伝えようとしている。この状況に、Aは身に覚えがあった。
そう、それは去年の
_____僕と…
「その…ええと……
_______…親友に!なって、くれる…?」
_____お友達になってください!!!
『……!』
勇気をだして言ったは良いがやはり自信が足りなかったらしく、語尾が弱くなるイルマ。Aはというと思わぬ単語に目を見開いて驚いていた。
当然だ、人間界に存在する単語の " 親友 " とは友達よりも親しく、信頼し合える " 友 " を指す言葉なのだから。
イルマと友達になった瞬間と情景が重なったのもあり、Aの口から笑みが零れる。安心したような、嬉しさ込上げるような、そんな笑みだ。
『……喜んで、』
Aがそう言うや否や、クララが嬉しそうに飛びつく。周りにいた
「おかえり、Aくん!」
『…!ただいま、みんな。』
サリバンside
____Aくんの処分だけど…
____君に任せるよ。
「ご不満でしたか?僕の判断は、」
理事長室に呼ばれて来た教師統括はどこか達成感に満ちた顔をしていて、僕が昨夜電話越しに言ったことが脳裏をよぎった。
答えの分かりきっているその問いに いいや、と否定する。彼につられて口が緩むのが分かった。
「大満足だよ、君に任せてよかった。」
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紫咄(プロフ) - ティアさん» コメントありがとうございます!面白く新鮮な話を書くのが作者の目標なのでとても嬉しいです✨これからも頑張ってまいります! (4月2日 0時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ティア(プロフ) - 春休みなのでシリーズ最新まで一気見しました!!すっっっごく面白いし泣いてしまいました………続き楽しみに待ってます!!頑張ってください!!! (4月1日 7時) (レス) @page31 id: 9f0c7fadf2 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 夕宙さん» ありがとうございます!シリーズ1からは嬉しいです…泣作者の書きたい放題に思案しながら書いているのでとても励みになります!これからも頑張ります! (3月9日 15時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
夕宙 - シリーズ1から読ませてもらってます。無性くんのキャラというか性格というか、とにかくキャラ設定やストーリー大好きです(語彙崩壊)。続きが気になる……!これからも頑張ってください!応援してます。 (3月9日 13時) (レス) @page21 id: 6731466818 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 久遠さん» コメントありがとうございます!とても嬉しいお言葉✨作者もエイト先生は大好きです!これからも頑張ります! (3月5日 20時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2024年2月11日 21時