第187話 ページ40
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______………目標 " アトリ " 、
《推定 " 元祖返り " 。
現時点をもって、
あらゆる家系能力、高位魔術の発動を許可します。》
「………A、」
…反応無し。
本来ならダリ先生からの通信通りアトリの捜索、教育に動くべきなのだろう。しかし、何か、放っておいてはならないような、今ここを離れてはいけないような…そんな気がした。
Aとの距離を慎重に詰めていく。
彼は俯いていて、表情は読み取れない。
こんなことは今までになかった…
『………ョク』
「…?」
Aとの距離が数メートルほどになるまで近づくと、何か呟いていることに気づいた。
だが、小声であるせいか聞き取ることは疎か読唇でも何を言っているのか分からない。
A、ともう一度名前を呼んで反応を確かめようとした
…直後。
「……っ?!」
___一瞬にして組み敷かれた。
否、肩に走る痛みから、正確には " 噛まれた " という方が適切だろう。
自分の身体から血液が吸い取られていく感覚に、その時になってAが呟いていたことが何かを理解する。
「なるほどね……ッ!
欲しがっていたのは僕の "
依然として僕の声に反応はなく、Aはまるで魔獣のように僕の血と魔力を奪っていく。
……紛れもない、
血を介して魔力を奪っている
しかも思った以上に早い……!
液体を媒介にしているせいか想像以上に魔力の減りが早く、全て奪われるのも時間の問題だ。
……このままだとまずい
とにかく距離を取ろうとイフリートを呼び出しAに攻撃すれば、動きを知っている彼は案の定イフリートの攻撃を読んで後方に避けた。
「キミの悪周期は暴走系なんだね、
道理で今までに見たことがなかったわけだ。
特訓に悪周期の制御も加えないと…。」
軽口を叩いているが、この状況は非常にまずい。
本部からの通信がないところを察するに、誰もAの悪周期に気づいていないのだ。
アトリの追跡を行っている今、
Aに人員を割くわけにはいかない……
『…マリょク、』
顔を上げた弟子はこれ以上ないほどに興奮状態で頬を染め、悪魔らしく怪しい笑みを浮かべている。
まるで、
「はいはい、いくらでも奪いなよ。
…引き摺ってでも正気に戻してあげるから。」
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紫咄(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけてとても嬉しいです✨満足できるものが書けるようにこれからも頑張ってまいります! (2月7日 14時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新お疲れ様です。こういった場でコメントするのは初めてなので不快な気持ちにさせる事があったらすみません🙇🏼 この小説の更新をいつも楽しみにしています。この作品に出会えてよかったです。これからも無理のないペースで更新頑張ってください😌 (2月7日 2時) (レス) id: ae6fd6e907 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 珊瑚さん» ありがとうございます!嬉しいお言葉をいただくととても励みになります💪これからも自分のペースで頑張ります! (2月3日 22時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚(プロフ) - 今回も更新ありがとうございます😭!続きが気になります💕無理せず更新頑張ってください! (2月3日 21時) (レス) @page46 id: 0e327a755d (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - くろあんさん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです…泣これからも執筆頑張ります! (1月28日 1時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年12月13日 18時