第162話 ページ15
〜
貴方side
ボクのことを知りたがる悪魔はたくさんいる。
勿論それは好意からくるものだけではない。
"
それなのにこの
"
そうやって何も教えないボクに怒ったのだ。
「?何を笑っているのだ、」
訝しげにこちらへ向けられるアズくんの視線に、自分が初めて笑っていることに気づく。
理由もなくボクを知りたいだなんて、
不思議なものだと笑いを収めてクラスメイトたちへと目を送る。
『それじゃあ一つだけ、ボクの秘密を教えるよ。』
悪戯っぽく笑んで小声で話せば、みんなは揃ってボクに耳を傾けた。
ごくりと唾を飲む音が聞こえる。
『……実はボク、
_____________性別が無いんだ。』
初めて、自ら無性を明かした。
師匠の時も、ツムル先生の時も、ダリ先生やバラム先生の時だって、訊かれるか当てられるかだったから。
同級生となると思ったより怖いな……
変な噂など立たないだろうか、そんな懸念は目の前の悪魔たちによって消え去った。
『あれ、もしかして知ってた………?』
正確に言えば、戸惑いに変わった。
秘密の一つを打ち明けたのにも関わらず、彼らの反応が存外薄かったからだ。
「知ってたというか……Aくんだし?」
「有り得ない話じゃないよな〜」
「むしろ納得したでござる!」
えぇ〜………?
想像とかけ離れた反応に唖然としていると、アズくんが 忘れたのか?、と怪しく、だけども誇らしそうに笑った。
「お前含め、ここにいるのは
………そうか、
彼の言葉に思わず納得できてしまい、そんな自分に笑ってしまう。
そうだ、彼らは
そりゃ無性にも驚かないか……!
自分の心の内で
「そんなことよりも!
もっとこう…モテる秘訣とか教えてよ!!」
『モテ……?えぇ………??』
ボクの性別を軽く吹き飛ばして出てきた質問は、あまりに学生らしくて、どんな質問よりも難しかった。
〜
255人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫咄(プロフ) - あやさん» コメントありがとうございます!楽しみにしていただけてとても嬉しいです✨満足できるものが書けるようにこれからも頑張ってまいります! (2月7日 14時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 更新お疲れ様です。こういった場でコメントするのは初めてなので不快な気持ちにさせる事があったらすみません🙇🏼 この小説の更新をいつも楽しみにしています。この作品に出会えてよかったです。これからも無理のないペースで更新頑張ってください😌 (2月7日 2時) (レス) id: ae6fd6e907 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 珊瑚さん» ありがとうございます!嬉しいお言葉をいただくととても励みになります💪これからも自分のペースで頑張ります! (2月3日 22時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
珊瑚(プロフ) - 今回も更新ありがとうございます😭!続きが気になります💕無理せず更新頑張ってください! (2月3日 21時) (レス) @page46 id: 0e327a755d (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - くろあんさん» コメントありがとうございます!すごく嬉しいです…泣これからも執筆頑張ります! (1月28日 1時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫咄 | 作成日時:2023年12月13日 18時