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口調の割には随分と強引に、しかしながら嫌に乱暴ではない手つきでボクの顎を掴み、上へ向かせられる。
「口、開けて。」
そうボクに命令する
常温で保存されていたのか、彼の白い手袋に溶けだしたチョコレートの茶色いシミがついている。
大人しく口を開けると、案の定それが放り込まれた。
『…………酒と少量の毒が入ってますね。
一つ食べるくらいでは害になりませんが、六つ目辺りから呼吸困難になるかと。』
「やっぱり?貰ったはいいけど相手が中々怪しくてさ、」
にっがい………もう少し甘かったらいいのに…
不快な苦さが顔に出ていたのか、いつの間にか顰めていたボクの様子に彼はまた笑った。
「名前で呼んでくれたら、もっと甘いものを……」
『手袋、汚れているようですので洗って参ります。』
彼の言葉を遮ってこの部屋から一刻も早く出ようとするが、
「名前、呼んで?」
今度は呼ばざるを得なかった。
命令形だったからだ。
疲労から出る溜息を隠す気もなく落とす。
『………ダリ様、その手袋をこちらへ。』
目の前の男の目が開かれ、蜂蜜色の瞳が顔を出し笑う。
結局のところ、ボクはこの人に逆らうことができないのだ。
「よく言えました、」
手袋を外した手で、ボクの頭を撫でる
ボクはその手をサッと躱して部屋を出た。
真っ白な手袋から茶色のシミが落ちた頃、それはもう値段も見た目も輝きに満ちたチョコレートが届いたが…
終
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ダリ先生はまだ出てきていなかったので、勝手に他マフィアの首領設定にさせていただきました……。
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『子どもができた』と言ってみた --- 女主→←【 if魔フィア 】&【 ダリ 】--- 無性くん
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紫咄(プロフ) - ももさん» レスありがとうございます!楽しく読んでいただけたようで嬉しいです! (2月28日 23時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 紫咄さん» リアルのほうで色々あり、ずっと見に来れずですみません……小説、最高でした…!おかげでニヤニヤが止まりません( 神作品をありがとうございます! (2月28日 22時) (レス) id: 710a8daeb1 (このIDを非表示/違反報告)
ぼーる。(プロフ) - 紫咄さん» こちらもドンピシャでした…!ありがとうございます! (2月16日 15時) (レス) id: f43dd9d3e3 (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ぼーる。さん» リクエスト完了いたしました!前回のお話が解釈一致で安心しました…!二度目のリクエストありがとうございます!楽しく書かせていただきました!お話の改変や新たなリクエスト等あればまたコメントにてお願いします。 (2月13日 14時) (レス) id: 0a579820f3 (このIDを非表示/違反報告)
ぼーる。(プロフ) - 紫咄さん» 書いて欲しいものそのままでずっとニヤニヤしていました…!続けてのリクエストですが、『子供が産まれてみた』(女主)で書いていただけるでしょうか…?お願いします…! (2月7日 10時) (レス) id: b3d9f0a76a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年5月7日 12時