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第27話 ページ28





貴方side



既に外側からじわりと(もや)がかる宛らにボクの視界は侵食され始めていた。それでもあの大きな黒翼は、ボクの目を奪う。



 …………………キレイ、



視界が悪いのにも関わず、守護対象であり主人でもあるイルマ様の魔術は黒々と輝いていて、思わずキレイ、と零してしまうほどだった。


青龍は自身の鱗を翻して紺に、やがて紫も混じらせて勢いを増していく。遂にはあの断絶(バリア)さえも破り、紫紺の身が夜空に泳いだ。





「14!13!12!11!」





すぐ下から大勢の生徒によるカウントダウンが聞こえる。
ちょうど10をきった頃に、イルマ様が落下するのを微かに捉えた。





『イル………


…………………しま…っ!!』





自由落下する彼を助けようと翼を広げるが生憎の状態に力が入らず、その隙にキリヲがボクの魔術から自力で抜け出す。



 まずい……!


 イルマ様が…………!!



抜け出した悪魔は脇目も振らずにイルマ様の元へ向かう。何を仕出かすか分からない彼を追いかけようと手を伸ばすが、届かなかった。





「まさか、ここで使う羽目になるなんてなあ…。」





『…………?!』





  ドォォォンッ




夜空に花が咲く。
それと同時に本祭開始の鐘が鼓膜を震わせた。


次に瞬きをした時には、イルマ様は宙に浮いていた。いや、正確には宙に張ったキリヲの断絶(バリア)が彼を受け止めていたのだ。





「Aちゃん、
僕は別に悪魔(ヒト)を殺したいわけと違うんよ。

それに、少し休んだ方がええ。」





『それ、君にだけは言われたくないよ。』





必要最小限の自己治癒魔術をかけて飛翔し、断絶(バリア)のある硬い宙に足を着ける。

ボクに薬を打ち込んだ上に魔力すら奪い、そして今は休息を促してくる悪魔を睨みながらイルマ様を背負う。





『……お礼は言わないから、』





「構わへんよ、
断絶(バリア)を作れたのもAちゃんの魔力を貰ったおかげやし。




………………にしても、


イルマくんのあのえげつない魔力なんやねん!!

僕が長年溜めてきた魔力、簡単に破れたし!」





イルマくんのあんぽんたん!あほぉ!、と口を開けば単調な悪態を吐くキリヲにボクは溜息を零し、イルマ様を安全なところへと運んだ。



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紫咄(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!全員推し分かります!皆が皆良いキャラでいくら書いても書き足りないくらいです笑これからも更新頑張ります! (6月7日 19時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月7日 19時) (レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ガイさん» ありがとうございます!頑張って執筆しますのでまた読みに来てくれると嬉しいです! (2023年4月30日 14時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
ガイ - 面白かった。←いつもは、こんなキャラじゃありません!!(*/□\*)かぁ〜// (2023年4月30日 14時) (レス) id: 5793000cce (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張って執筆していきますので読んでいただけると嬉しいです。 (2023年4月7日 23時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年1月1日 23時

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