第25話 ページ26
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Noside
______開眼。
キリヲの言っている話と矛盾したAの目覚めにイルマは驚きの声を上げようとする。
が、Aが自身の口元に人差し指を立てたためにイルマは出かけた声を飲んだ。
「………ね、眠っているだけなんですね…よかった…」
キリヲからAの様子はイルマで隠れていて、その死角を利用したのだろう。
Aが素早く宙に何かを書いた。
" いつでも動けます "
「………!」
それを読んだイルマは静かに頷いてAの元を離れる。離れた後の彼はまた眠るふりをして床に転がった。
「ほんと、入ってくるなり倒れた時はどうしようかと…」
「先輩、………これってガブコさん…ですよね」
作り話を捏ち上げるキリヲを遮り、眩く光る装置を見ながらイルマが問う。ガブコさんと言われた装置には、花火の玉が設置されていた。
自分の話をイルマに遮られたことに少しの驚きを持ったキリヲが戸惑いつつもその問いに肯定する。
「あ、ああ…これを爆発させて学校をぶっ壊すんよ。
ガブコさんはそのための装置」
「…なんで、なんでそんなことを…っ」
なんで
「……たいんよ」
キリヲ自身にしか聞こえないような小さな声にイルマは思わず え……?、と問い質す。
顔を上げたキリヲの頬は興奮に赤く染まっていた。
「学校中が絶望に堕ちる瞬間を、見たいんよ!」
先輩、そう言おうとしたときには
「分かる?
誰かの絶望が、僕にとって生きがいなんよ!」
Aちゃんは分かってくれへんかったけど、と満更でもなさそうに笑むキリヲを前にイルマは自分の晒された状況を理解する。
今まさに人間対悪魔の、絶望的な状況であることを。
「せやから…………せやから見せて欲しい!
キミの絶望する顔を!」
そう言ってイルマの顔を覗き込むキリヲだが、彼の望む表情をイルマは持ち合わせていなかった。
イルマは よし、決めた!、と何かを決心したように一つの深呼吸をおいて、叫ぶ。
「___Aくん!!」
名を呼ばれた悪魔は一瞬で眠りから覚め、少しの間もおかずにキリヲへ片手を伸ばして魔術の照準を合わせた。
『
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紫咄(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!全員推し分かります!皆が皆良いキャラでいくら書いても書き足りないくらいです笑これからも更新頑張ります! (6月7日 19時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月7日 19時) (レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ガイさん» ありがとうございます!頑張って執筆しますのでまた読みに来てくれると嬉しいです! (2023年4月30日 14時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
ガイ - 面白かった。←いつもは、こんなキャラじゃありません!!(*/□\*)かぁ〜// (2023年4月30日 14時) (レス) id: 5793000cce (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張って執筆していきますので読んでいただけると嬉しいです。 (2023年4月7日 23時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年1月1日 23時