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第11話 ページ12





地上は逃げ場のない炎の壁、そして上空からは炎を手に纏ったアスモデウスくんがボク目掛けて拳を振るう。



 さすがアスモデウスくん(首席)



そう感心すると同時にボクは敗北という未来を見ざるを得なかった。袋小路から脱出できるほどの打開策を、ボクの頭では到底思いつきそうにもないからだ。

しかし、まだ諦めたくないという一丁前に負けず嫌いな気持ちだけが残っているのも事実だった。

その時、





『…………!』





まるで身体が こうしろ、と言わんばかりにボクの意志とは関係なくその場に片膝を立て、地面に手をつき、魔術を使う。
実技で一番成績の良かった、風の魔術だ。

頭の中でどんな魔術なのかも、流れる。
それは脳内で動画を見ているようだった。

ボクは知らない魔術だったが、身体は覚えているようで、なんとも不思議な気持ちになる。





「……?!炎が消えた…?」





当惑しているアスモデウスくんの拳を避け、隙のできた彼の背後に入りこむ。

片手をアスモデウスくんの(うなじ)に、爪が軽く触れるほどの距離で静止させる。決闘でなければ彼に致命傷を負わせられる状況だ。





『寸止め、でいいんだよね?』






××××××







アスモデウスside



端的に言うと、私はAに勝てると思っていた。
実際途中まで勝率は限りなくこちらに傾いていたからだ。

しかしそれは愚考にすぎなかった。



 _____はやい、



Aの背を超える炎が一瞬にして、消えた。

あれだけの魔術を使って尚、特に何の反動もなく私の背後へと回り込む素早い身のこなしは、恐らく同じ学年ではダントツで一番だろう。

きっと今使い魔を呼んだとしても、徒労に終わるに違いない。



 それぐらいの異常さが、アレ(・・)にはある



一気に形勢逆転し決着が着いたことで、ギャラリー達が耳が壊れるくらいの黄色い声をあげる。





「……………。」





一瞬で消失した。私の炎がだ。

炎を消す、私だったらどうするか最良の策を考える。幼少から力を入れて鍛えた得意魔術はそう簡単に消せないはずなのだ。


……ふと、有り得ない考えが、頭を過ぎる。






_________まさか、






「………そんなことが可能なのか?」





きっと一人ぶつぶつと呟く私の姿はすごく奇妙なことだろう。だがそんなことはどうでもよくなるほど有り得ない思考がチラつき脳から離れないのだ。



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紫咄(プロフ) - もこさん» コメントありがとうございます!全員推し分かります!皆が皆良いキャラでいくら書いても書き足りないくらいです笑これからも更新頑張ります! (6月7日 19時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 初コメ失礼します!私愛され大好物なので嬉しいです!魔入りました入間くんのキャラ全員推しなので嬉しいです!更新頑張ってください! (6月7日 19時) (レス) @page5 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - ガイさん» ありがとうございます!頑張って執筆しますのでまた読みに来てくれると嬉しいです! (2023年4月30日 14時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)
ガイ - 面白かった。←いつもは、こんなキャラじゃありません!!(*/□\*)かぁ〜// (2023年4月30日 14時) (レス) id: 5793000cce (このIDを非表示/違反報告)
紫咄(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからも頑張って執筆していきますので読んでいただけると嬉しいです。 (2023年4月7日 23時) (レス) id: a9de1191b0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紫咄 | 作成日時:2023年1月1日 23時

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