それはまるで雪のように。《竈門炭治郎》

廿参 ページ23

雪乃side

至る所から湧いて出てくる鬼。もう何体斬っただろうか。




「雪の呼吸、陸ノ型、風雪絡め」

「雪の呼吸、壱ノ型、雪礫ｯ」




中には異形の鬼もいて、かなり呼吸も使った。





全集中・常中を使えるとはいえ、こんな長時間、頻繁に呼吸を使うことがそうそうない為、かなり息も切れて来た。






最初より鬼のオーラは薄れてきたけど、北西の方向から強い鬼のオーラが見える。





そこへ向かって走っていると、逆方面で鬼を斬っていたカナヲちゃんとぶつかった。







「カ…栗花落さん」





私が名前を呼ぶと、何故かかなしそうな顔をする。






栗「こっち側はもう鬼は居ないわ。でもここに強力な鬼が一体、いる」






私は黙って頷いた。







ここは鬼のオーラがすごい。それも一体だけ。








栗「でも…どこから」





左右は壁に囲まれ、前は行き止まり。後ろは私たちが来た道だ。






どこ…？どこから来るの？





注意深く、感覚を鋭くさせる。





微かに、鬼の色が。







「下！」






私が叫ぶと、カナヲちゃんは飛び退いた。私も反対側に飛び退く。







その瞬間、下の地面がボコっと盛り上がり、鬼が飛び出してきた。








鬼「ケケケ、鬼狩りのガキが2人かァ。それも女。こりゃあ美味そうだ！」

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