それはまるで雪のように。《竈門炭治郎》

廿弐 ページ22

炭治郎side

炭「すみません、夜分に突然押しかけてきた上、お茶までご馳走させてもらっちゃって…」





冨「気にするな」





義勇さんは一言そう言うと、ずずず、とお茶を飲んだ。




炭「あの、しのぶさんと義勇さん以外に、雪乃のこと知っている柱って…」





冨「煉獄、宇髄、悲鳴嶼、伊黒だ」





連絡はしてきてないが、時透や不死川、甘露寺も小耳に挟んでいるだろう。






そう、義勇さんは言った。




冨「そして、連絡をしてきた柱は全員、雪乃が悪者だと思っている」





炭「なｯ…！」





驚いて、言葉も出ない。




どうして、みんな雪乃の実力を知っているのに…！




すると、義勇さんが俺の心を読み取ったように





冨「実力があるから、というのもあるだろうな」





炭「それって、どういう…」





冨「炭治郎の名前が出てきた、というのが1番の理由だろう。みんな炭治郎と雪乃が恋仲だということを知っている。そして雪乃には、人を傷つけるには十分な力がある」







炭「そ、そんな…」







あの人たちは…そんなことだけで決めつけたのか…。




雪乃の性格や、人柄も知らずに。




この世はなんて、理不尽なんだ。






正座をした膝の上で拳を握り締める。
その上に、義勇さんが手を重ねてきてくれた。






冨「炭治郎、落ち着け。雪乃が任務から戻ってきたら、3人で話し合おう。それまで、我慢していてくれ」







そして、もう帰った方が良い、と笑って、俺を帰らせた。






ああ、早く帰ってきてくれ、雪乃。

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