それはまるで雪のように。《竈門炭治郎》

拾肆 ページ14

雪乃side

何が起きてるの…？



なんで真中ちゃんは自分で自分の腕を斬ったの？



なんで炭治郎の名前が出てきたの？





もうわかんない……





ガラッと医務室の引き戸が開き、しのぶさんが姿を現した。





怒ってる、すごい怒ってるオーラが見える。





矛先は、私。





胡「東雲さん」






「!?」





なんで、苗字で…





胡「真中さんはあなたに斬られたと言っています。これは隊律違反に当たりますよね」





「違うんです、あれは真中ちゃんが自分で傷つけて」





胡「いないですよ、そんな人。第一、あの日輪刀はあなたのものでしょう」




たぶん、これ以上何を言っても信じて貰えないだろう。





しのぶさんも、真中ちゃんの策略に嵌ってしまっている。





「…とりあえず、今日は帰ります」





胡「…」




私がそう言っても何も言わないしのぶさん。





蝶屋敷の玄関門をくぐろうとすると、






炭「雪乃！」







「た、炭治郎…」






一番会いたくて、会いたくなかった人。






炭「真中の件なんだけど…ほんとに雪乃がやったの？しのぶさんがさっき、俺らに言ったんだ、真中を傷つけたのは雪乃だって」




「ｯ…」




悔しくて、悲しくて、涙が出そうになる。





炭「俺に、本当のことを話してくれ」




「わ、私は…」



彩「炭治郎くん、しのぶさんが呼んで…ﾋｯ」



真中ちゃんの言葉で遮られてしまった私の言葉。




そして、あからさまに怯える振りをする。




炭「ああ、わかった。先に行っててくれ」




彩「うんっ…」





たったったっと走っていく彼女。




炭治郎は私に近づくと耳元で、





炭「明日、蝶屋敷と水屋敷の間にある神社、わかるだろう？あそこへ来てくれ。続きを話そう」

拾伍→←拾参

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す