ママの苦労/グラファイト ページ33
クロノスにやられ、森の外へと放り出された俺は攻撃のせいで動けなくなっていた
パラドは無事なのか、そればかりが不安だった
「っはぁ……クロノス…!」
「……おじさん、だいじょうぶ?」
「!…誰だ貴様!!」
俺の目の前には尻をつき壁にも垂れている俺とほぼ同じサイズのガキが居た
真っ黄色の帽子と真っ赤なランドセル
Theガキと言っていいくらいのガキだ
「おじさんもポイされたの…?」
「あぁ?貴様には関係ない。とっとと消えろ」
「へへっ、そんな変な顔してるとしあわせが逃げてっちゃうよ」
俺の顔を見て馬鹿にしたように笑うこいつは眉間の皺を伸ばすように人差し指をこちらに指してきた
「貴様…!殺されたいのか…!?」
それに腹を立てた俺は立ち上がろうとした
だが、クロノスの攻撃を受けた俺は立ち上がることが困難だった
「ははっ笑ムリしたら体がこわれちゃうよ。よーしよーし…」
子供をあやすように俺の頭を撫でてきた
「……はぁ…何がしたいんだお前は」
抵抗したくても出来ないため諦めるしかなかった
「あたしを産んだ人にすてられたから、拾われに来たの」
このガキが言っていることがよく分からなかった
俺はブレイブの恋人の記憶を探り産んだ人物、つまり家族というものはもっと暖かいものだということを知っている
だがこのガキはその家族とやらに捨てられたのだと発言している
「…中々悲しいやつだな、お前は」
「かなしい……?泣くの?おじさん笑」
「まぁ、俺以外のやつに拾われろ」
「なんで…?おじさんあたしのめんどうみてくれないの?」
「誰がそんな約束をしたか…。まず俺の名はおじさんなどでは無い」
「じゃあなんていうの…?」
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作者名:名無し | 作成日時:2023年2月24日 7時