第十一章 ページ28
慎太郎
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昔は別になんとも思ってなかった。
本家松村家という偉大な家庭の次男として
尊敬する強くたくましい父上と
優しくて頭のキレる母上。
恵まれた環境がうまれつきあって幸せとしか思わなかった。
俺には兄がいた。
剣術を習っていて、落ち着き頭のいい兄。
友達は少ないもののいつも注目の的。
次第に…父上は優秀な兄と俺を比べるようになった。
何気ない顔をして聞いてる兄
何も言ってくれない母上。
そんな家族が嫌いになりそうだった。
俺も父上の理想になりたい、認められたい
馬鹿なりに一生懸命俺だって考えた。
それが鬼になることだった。
違反だと分かってるし、これをやれば数年前に家を出た兄に歯向かうことだって全部わかってた。
けど…兄に勝ちたい。父上に認められたい
俺はそれしか見えてなかった。
真夜中の森に飛び込み、鬼の血を自分の体に流し込み帰れば
喜ぶどころか驚き、怯える父と母。
腰抜かして…そんなにかと大きな力を手に入れたことにすごい喜びを感じた。
父「なんってことだ…おい…北斗に連絡しろ…」
母「はい…慎…あなたなんてことをっ…」
気付けば松村家に仕えていた騎士団も俺に刃をむけて
父も母も怯えて俺の力に喜びを感じてくれなかった。
慎太郎「なんでだよ…！！」
暴れ狂って、自我を取り戻した時には
敏感になりすぎた鼻が感じる生ぬい血の匂い。
ヌルッとする自分の口元。
あたりに散らばる変死 体
慎太郎「父上にかった…」
強く、偉大な父に勝った。
これでおれは…最強だ
それが嬉しくてたまらなくて、俺的には得をした。
それから兄がきて、サツがきて…ことが進んだ。
勿論、兄の北斗は絶望、泣いていた。
俺は、その様を外から見ていた。
父の血を拭った後に俺は気付いた。
父を倒しても…兄を倒さなければ認められない
そんな馬鹿な考えで俺は鬼を食って、食って
北斗のいる部隊に歯向かう組織を作り出していた
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しずく - 完結おめでとうございます！いつも楽しみにしていた作品なので終わってしまうのは寂しいですが、次の作品も楽しみにしています。これからも頑張ってください。 (2021年5月8日 22時) (
レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
しずく - すごく面白いです。更新を楽しみにしています。これからも頑張って下さい。 (2021年3月7日 18時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2021年3月6日 13時
