第三章 ページ22
樹
.
.
"ぐぁぁっ…！！！"
正直、今も思い出すと血の味がする。
御館様と大野さんとその場に駆けつけた時には
倒れ込んでいるあべべ、苦しんでいる目黒
鬼の作りだしたであろう膜で苦しむ北斗。
"ぐっ…！！あ゛ぁぁ…！！！"
"…樹。私たちが攻撃のすきに北斗を助けなさい。そして君の獅子と北斗の鷹を呼びなさい。目黒と阿部も助けること。わかりましたか？"
"…御館様…でも彼は…"
"…鬼だ。残念ながらもう隊員ではない。庇ってはいけないよ"
"…っ、…はい"
忍の方もとてもいい人だった。
ただその優しが無力だった俺には深く突き刺さった。
足が、足がと痛がる目黒。
意識がないに等しい阿部。
身体が熱く、どこかを痛がる北斗。
.
.
.
"樹。どうですか？"
"御館様…！！大野さん…！"
"結構傷深いね…"
"北斗。目を閉じたままでゆっくり呼吸をしなさい"
"はぁ、はぁっ…はぁ…っ…ぐっ…"
"ゆっくりです。私の声が聞こえるでしょう？"
"いっ、はっ……ぎょっ、い…はぁっ…"
あまりにも苦しそうに息をする北斗。俺は見ることが出来ず思わず目を逸らした。
"集中しなさい。ゆっくり大きく息をして"
"くっ…ふぅ…はぁっ…はっ…ぐっ"
"まだ足りない。傷口に集中して…大きく吸いなさい"
次第に呼吸は落ち着くものの身体が熱い北斗。
"氷屋敷で育っていて、この暑さはまずいですね"
"樹、目黒達はどうしました？"
"救護隊員と陰なかより処置を受けて氷屋敷の治療室へ"
"良く正しい判断しましたね。立派です"
"いえ…"
あの戦いが終わっても、あべべもめめも…北斗も
目を覚まさなかった。
北斗に至っては身体が熱いまま。
異例といってもいい、御館様の屋敷で面倒を見ることになった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 271人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
15Mayuu(プロフ) - お話続けてくださりありがとうございます！ほくじゅりの幼少期のお話を読んでみたいです！また、樹君を庇って北斗君が怪我してしまったりと、、是非よろしくお願いします！ (2021年2月3日 22時) (
レス) id: ea80b7409d (このIDを非表示/違反報告)
しずく - 1番が見てみたいです。すごく面白いのでこれからも続けてほしいです。 (2021年1月30日 8時) (レス) id: 0ac6e112f4 (このIDを非表示/違反報告)
さな - この作品、すごく好きなので続けて頂きたいです (2021年1月29日 23時) (レス) id: 4edeae3903 (このIDを非表示/違反報告)
さな - いつも楽しみに見ています！私は、2番を見てみたいです！ (2021年1月29日 23時) (レス) id: 4edeae3903 (このIDを非表示/違反報告)
ほく - 作者さんが仰ってる５つのストーリーなら私は1番が好みです！もしよかったらまた書く機会があれば書いていただきたいです！ (2021年1月29日 23時) (レス) id: f8b4be04d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：沙羅
| 作成日時：2021年1月21日 20時
