第八章 ページ30
樹
.
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樹「…北斗！！！」
ガシッと、抱き抱えるように彼を掴んだ。
体はひんやりしてるのに暑そうだった。
北斗は人一倍繊細だった。硝子のような心だった。
いいように言えば美しく純粋。悪いように捉えれば壊れやすく脆い。
優しすぎる彼は少しもの間違えも許せなくて
自分自身を強く持ちすぎてしまっている。
きっと自己肯定力があまりないのはそのせい。
樹「…大丈夫だから、な」
北斗「…」
大我「俺、目黒さん呼んできますね。」
樹「頼んだ」
"俺、…"
何を言おうとしていたかは分からない。
けど、壊れてしまいそうな彼を離しては行けない気がした。
もう、自害などさせない。
俺がそばに居る。
そう誓うかのように俺は北斗をギュッと抱きしめた。
憧れを、彼を羨ましく思ってたさっきまでの俺が馬鹿みたいだ。
樹「…北斗、」
起きたらちゃんと俺からも謝らせろよ
＿＿
＿＿＿＿＿＿
北斗
.
.
ｷｰｰｰｰｰｰﾝ
懐かしい夢を見た。
久々に実家に帰った夢。
玄関から居間までの廊下にはどこかツンっとした匂い
異臭がして、何度も何度も訓練の時に嗅いだ匂いだった
「…父上、母上、ただいま戻りました、…！？
父上！！！！母上！！！！」
ごくりと唾液を喉に通らせるのも苦労するほど。
赤黒い色で倒れて死んでいるのは紛れもなく俺の両親だった。
騎士「ほ、くと様…」
何人もの騎士も横たわっていて、中には死んでる騎士も重傷の騎士から軽傷で済んだ騎士までいた。
「…これはどういうことが…説明をお願いしたい。騎士団長」
"騎士団長" "京本政樹"
そう胸元のネームプレートもズタズタで護ろうとしたんだとすぐに駆けつけなかった自分の行動力そして無力さに呆れた俺。
北斗「……解散だ。」
騎士「え？」
北斗「松村家本家に仕えていた騎士団は本日をもって解散だ。本家だけではない分家も解散と伝えろ。もうお前らはここで戦う必要がない」
騎士「そんな…！どうかお許しを…！」
北斗「許す、許さないではない。俺はお前らを殺したくないだけだ」
鬼が被害を出したのは確実だった。
鬼となれば叶うのは0部隊のみだ
彼らに下手に被害を与えたくない家族がいる者もいるから
北斗「…慎太郎…？」
俺の弟はどこへ消えたのだろうか
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沙羅(プロフ) - あさん» ありがとうございます！とても嬉しいです。樹くんと北斗くんの2人の性格の違い、弱さ、強さ…そこに注目して頂けたこと、そして【壱】で好きな場面があること…とても励みになります！これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月4日 23時) (
レス) id: 8c91eea260 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 移行おめでとうございます。この設定の樹くん強さの中に弱さがあったりなどしてとても好きだったのでお話し続けてくださりとても嬉しかったです。憑依させる場面特に好きでした！これからも作者様のペースで更新して頂けたら嬉しいです。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: 6f43ad3d50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2021年1月26日 23時
