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第八章 ページ27

北斗




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北斗「……はぁ、」






また、ぶつかった。






宮舘「ふふっ、なにかあったのですか?」




北斗「別に」





どうすることも出来なくて俺は玄米と金目鯛を見つめた






"自分の身を捨てようとした"



普通の人間ならばそれは良くないこと。








納得出来ずとも樹が怒ったのは事実。


あんな暗く怒った顔、他の喧嘩では見たこともなかった









御館様「間抜けな顔ですね」





北斗「…!?御館様…お疲れ様です」




御館様「…樹は?」



北斗「…あー出ていきました」



御館様「まーた喧嘩ですか?」




北斗「…いや、」




喧嘩…と言うより…俺の一方的な感情で傷つけた

その表現の方が正しいかもしれない。



北斗「…彼のあんなに苦しそうな表情初めて見ました」





御館様「…何かあるのは君だけじゃない」





北斗「え?」





御館様「北斗は北斗。樹は樹。私は私。それぞれ自分しか分からないことがあるのですよ。樹の繊細な所までいくら君の優れた洞察力でも見破ることは不可能ですよ。彼は天才…その上器用ですから」







天才、器用。そうよく褒められる樹。


俺とは違い代々家庭から続く炎屋敷の跡取りだった。


俺は突然現れた氷屋敷の跡取り。




認める人が多いのは樹だ、そんな彼が羨ましい








御館様「…君達は頭悪いですからね」




北斗「え?」



御館様「ちんちくりんのスットコドッコイですから」




北斗「へ?え?」





御館様「…君を助けられなかった鬼参事件。君に助けられた紅月事件。初めて会った時君に助けられた。兄達と比べられる日々。自分自身を見失って葛藤する日々。そんなことが続いても君は彼が羨ましいと思いますか?」








北斗「…え?」



驚いた。


俺の全てが見透かされてる気がして。

御館様は笑顔崩さずに言うものだから本当なんだと思うことにそう時間はかからなかった。




御館様「…樹も樹なりに戦っています。そう簡単に"羨ましい"だなんて思うのではない。北斗は北斗。樹は樹。人はみんな違うから良いのですよ。君も充分素敵です。」








北斗「…私は、それでも田中樹になりたいと思います。」




御館様「ほう?それは何故ですか?」




簡単だった。




北斗「彼の表現力と多才の能力。それはどこにもないこの部隊、そして彼自身の偉大な武器です。


誰もが動かされる彼の言葉。表現。私も叶うのならば備えたい力です」









そう思った。

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沙羅(プロフ) - あさん» ありがとうございます!とても嬉しいです。樹くんと北斗くんの2人の性格の違い、弱さ、強さ…そこに注目して頂けたこと、そして【壱】で好きな場面があること…とても励みになります!これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします! (2021年2月4日 23時) (レス) id: 8c91eea260 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 移行おめでとうございます。この設定の樹くん強さの中に弱さがあったりなどしてとても好きだったのでお話し続けてくださりとても嬉しかったです。憑依させる場面特に好きでした!これからも作者様のペースで更新して頂けたら嬉しいです。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: 6f43ad3d50 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沙羅 | 作成日時:2021年1月26日 23時

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