第八章 ページ25
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御館様「なにしてるんですか！！！」
樹「……！！」
屋敷の主になったばかりの頃だった。
北斗と比べられるのが苦痛。その上最年少記録を作った俺達の壁は周りからの信頼と視線。
俺も北斗のように名家に生まれ、努力をすることが出来ればこんなことにはならなかった。
ただ、突然の不安に襲われて明日が来るのが怖くなった
力で人を動かす責任、そして誰かを救う責任。
日に日に自信をなくして苦しくて逃げ出したくて
どうしよもない日が続いた。
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手首、そして首には大事な動脈が流れている。
もしそこが切れれば人間は終わり。
首の骨が折れても窒息死。そんな話を医療班の人から聞いた事あったから
明日が来なくて逃げ出せるならと
俺は刀で首を切ろうとした。
樹「お、御館様…！！」
パチンｯ!!
自分の屋敷に響く乾いた音。
俺はあの温厚で謎めいた御館様に平手打ちされたことを実感した。
御館様「…何をしてるんだお前はっ！！！」
樹「…っ、」
御館様「命がどれだけのものか！！0部隊ならわかったであろうに！！！」
樹「申し訳…、」
御館様「……どうしたんですか、なにかあったのですか？」
怖かった御館様の顔は一瞬で和らいで
花の匂いのする体に俺は抱きしめられてわんわんと泣いた。
樹「…ごめんなさいっ、ごめんなさい、」
御館様「……泣いてはいけませんよ」
樹「俺、っ、…」
御館様「樹。貴方は素晴らしい人間です。1人で戦わなくたっていい。無理して誰かに勝とうとしなくていい一人一人が特別なんですよ。何を悩んでいるかは私には分かりません。ただ、貴方には私が着いている。
」
樹「……っ、」
御館様「北斗だってついてる。その年齢でたくさんの使用人を動かし部隊の上に立つのは厳しいことかもしれません。貴方ならできる、頑張れだなんて言わない。だってもう充分頑張ってますからね
あなたのペースで頑張りなさい」
樹「……はいっ、」
＿＿
＿＿＿＿＿＿
北斗がどんな気持ちであんなことしたか
俺には分からない。北斗はわりと恵まれてて才能だってあった。
だから悩みなんてないと思ってたけど、自害するまで追い込まれてただなんて思わなかった。
樹「……俺、どうしたらいいんだ」
御館様「どうかなさいました？」
樹「うお！！！？御館様？！」
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沙羅(プロフ) - あさん» ありがとうございます！とても嬉しいです。樹くんと北斗くんの2人の性格の違い、弱さ、強さ…そこに注目して頂けたこと、そして【壱】で好きな場面があること…とても励みになります！これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月4日 23時) (
レス) id: 8c91eea260 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 移行おめでとうございます。この設定の樹くん強さの中に弱さがあったりなどしてとても好きだったのでお話し続けてくださりとても嬉しかったです。憑依させる場面特に好きでした！これからも作者様のペースで更新して頂けたら嬉しいです。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: 6f43ad3d50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2021年1月26日 23時
