第九章 ページ41
御館様
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御館様「あら、篠田ではないですか、陰と君が何故このようなところに？」
北斗「…立ち退いていただけますか」
初めてだった。
幼い頃から見てきたはずで今は立派に成長した北斗の
こんなに冷たい瞳と声を聞くのは
御館様「…嫌だと言ったらどうなります？」
北斗「…どうもなりません。ただ、私が貴方を軽蔑するだけですよ。」
私の目を見ず、目の前にいた"陰"だけを見る彼に
私は声は届かない。そう確信した。
彼を止めるには"私の力じゃ足りない"
篠田も私に助け求めていた。
北斗「…彼を不起訴にしたい理由を…私の納得いく説明を…お願い致します。」
御館様「…不起訴にすれば直ぐに留置所を出られますよ」
北斗「出られたとしても前科持ちということになる。無罪の人間を汚して誰が得するのか、私には理解し難い。」
御館様「そうですねぇ、"得"といえば、
私と…やはり篠田でしょうか、それと彼の所属するもうひとつの組しっ、…！？」
北斗「…貴方はどう思っていましたか？私があなたに向けていた尊敬の眼差しは…偽りの貴方を見て目を輝かせてる私たちを見て"馬鹿馬鹿しい"とでもおもっていましたか？」
一瞬だった。
少し離れた場所にいたはずの彼が私の所までの移動
それがまるで瞬間移動のようだった。
北斗「…貴方が救ってくれた私の過去は全て計算でしたか？」
御館様「…北斗。貴方は…間違っている」
北斗「え？」
御館様「…私は篠田に操られていて、篠田は鬼舞隊に所属する男だった。この男の太腿に、タンジーの刺青がある」
北斗「……」
少しだけ、ほんの少しだけ私に力を込める北斗の力が緩んだ。
彼の目には哀しみが浮かんでいて、それ以外の感情なんてなかった。
北斗「…この男の実刑を求めます、」
納得していない様子の北斗は俺に跪き小さな声で言った。
北斗「…不起訴でなく田中樹の…無罪主張をお願いしたい…
先程までの無礼をどうかお許し下さい」
御館様「…君はそれで納得ですか？」
北斗「え？」
御館様「…私のことはどうにでもしていいんですよ？勿論篠田ののとも。私と貴方の恨む"鬼舞隊"が繋がっていた。部隊にとってあってはいけないこと」
北斗「…私は真実を知りたかっただけ。樹とそれ以外はどうでもいいです。鬼のように無闇に人を殺したくない」
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沙羅(プロフ) - あさん» ありがとうございます！とても嬉しいです。樹くんと北斗くんの2人の性格の違い、弱さ、強さ…そこに注目して頂けたこと、そして【壱】で好きな場面があること…とても励みになります！これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月4日 23時) (
レス) id: 8c91eea260 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 移行おめでとうございます。この設定の樹くん強さの中に弱さがあったりなどしてとても好きだったのでお話し続けてくださりとても嬉しかったです。憑依させる場面特に好きでした！これからも作者様のペースで更新して頂けたら嬉しいです。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: 6f43ad3d50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2021年1月26日 23時
