第八章〜立ち止まって〜 ページ21
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樹「……ん、ん」
俺、倒れたんだっけ。
目を開けると北斗の屋敷の天井。
涼し気な部屋に物があまりなくて心地よい。
北斗「……おはよう」
樹「…うわっ！」
北斗「…俺は幽霊か」
樹「…いや、お前大丈夫なの？」
北斗「問題ない。お前は？」
樹「……俺は大丈夫、」
北斗「……そうか」
北斗は黙りと布団の上にいる俺を見た。
そんなじっと見られても…
北斗「…色落ちしてきたな、髪」
樹「あー染めないとだわ。黒爪と髪やって」
北斗「俺が？」
樹「うん。」
北斗「ふっ、今度な」
樹「…」
北斗「なんだ？」
樹「いや、綺麗な顔してんなって」
北斗「馬鹿。」
俺が倒れることなんてそうない
いつもと違う立場に俺らは何を話していいことか
北斗「…ごめん」
樹「え？」
北斗「…あんなこと言って、すまなかった」
いつも冷静沈着で強気の北斗がこんなに俺の前で
犬みたいになるのは久しぶりで、俺も少し戸惑う
樹「…首飾り…壊してごめん」
北斗「…今、目黒が直してくれてる」
樹「あーそう」
北斗「……なぁ、」
樹「ん？」
北斗「辛かったら、途中で寝てもいい
だから独り言だと思って聞いてくれ」
樹「…？わかった」
北斗「紅月事件と名付けられた戦いの日。鬼に言われたこと覚えてるか？」
"なぁ、鬼にならへん？"
"鬼になり不死身を手に入れれば、
この世の全てを手に入れられるかもしれんで？"
そんなことを言われた。
北斗「…俺は、鬼殺が仕事、それなのに俺は
不死身、この世の全て、そう聞いたとき…"鬼になれば"そう思った」
樹「…」
切なそうに語る北斗。
長いふわふわの髪から見えるのは涙の溜まった瞳。
樹「…お前は、鬼殺隊員だぞ？」
北斗「わかっている。」
"お前に言った幻滅されると思った"
そう話した北斗に俺は思わず声を出せなくなった。
俺自身、そう聞いたときこの世の全てを北斗と仕切りたい。そんな馬鹿みたいな感情が一瞬だけ込み上げた。
この一瞬の迷いが佐久間くんやその他隊員を変えてしまったんだってその時実感した。
樹「…俺は、お前が隣にいればそれでいい」
北斗「…もし俺が果てまで行ってしまったら、俺はきっとお前の所には戻ってこれない」
樹「え？」
北斗「それだけだ」
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沙羅(プロフ) - あさん» ありがとうございます！とても嬉しいです。樹くんと北斗くんの2人の性格の違い、弱さ、強さ…そこに注目して頂けたこと、そして【壱】で好きな場面があること…とても励みになります！これからも頑張りますのでよろしくお願いいたします！ (2021年2月4日 23時) (
レス) id: 8c91eea260 (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 移行おめでとうございます。この設定の樹くん強さの中に弱さがあったりなどしてとても好きだったのでお話し続けてくださりとても嬉しかったです。憑依させる場面特に好きでした！これからも作者様のペースで更新して頂けたら嬉しいです。 (2021年2月4日 23時) (レス) id: 6f43ad3d50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙羅
| 作成日時：2021年1月26日 23時
